御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
図書館ってことを忘れて、思わず話し込んでしまった。
「す、すみません、直ぐ出ます。陸さん、私、この本借りたら帰ります」
「じゃあ、僕も帰るから」
2人は慌てて図書館を出た。

「また教えて貰っていいですか?会社では聞けなくて」
「上司の人、教えてくれないの?」
「いえ、凄くいい方です。でも、専務の秘書をしているので、とても忙しくて。出来るだけ、ご負担をお掛けしないようにと思いまして・・・」
「そう・・・良かったら、僕の家に来ない?カフェでもいいんだけど、本を広げられないし、落ち着かないし」
「家・・・ですか・・・」
「あっ、家と言っても、書斎というか、仕事部屋なんだ。何も無いところだけど、本とかもあるし」

どうしよう。男性の部屋に行くなんて・・・
でも、こんな難しいこと、他に教えて貰える人なんて、いないし。
仕事部屋なら、いいかなぁ・・・

「あの・・・ご迷惑じゃなければ、いいでしょうか。凄く助かります」
「いいよ。この近くだから」
陸さんについて行くと、私の家とは逆方向の高級住宅街の地区だった。
「ここなんだ」
最近建ったタワーマンション・・・
陸さんって何者なんだろう。
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