御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
中に入ると、広々とした部屋は、生活感が無い。
本棚には、沢山のビジネス本が並んでいた。
「凄いですね。このマンションも凄いし、どんなお仕事されているんですか?」
「か、会社が借りていてね。それを使わせて貰ってるんだ」
「そうでしたか・・・こんな立派な家に住んでるなんて、どこかの御曹司の方かとびっくりしました」
「そ、そんなわけないよ。そこのソファに掛けて。コーヒー淹れるから」
陸さんは逃げるように、慌ててキッチンに向かった。

コーヒーカップが2つ前に置かれ、陸さんが私の隣に座る。
急に2人きりなことに、緊張してきた。

「陸さん。早速、続きからいいですか?」
私が次々に質問しても、陸さんは私のために、とても分かりやすく、丁寧に教えてくれた。
「難しいけど、数をこなしていくと、覚えていくからね」
優しく微笑む陸さん。優しいだけじゃなく、仕事も出来る人なんだ。
目元が見えない横顔を見るだけで、ドキドキして来た。
私・・・陸さんを好きになってる・・・
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