不遇な財閥御曹司は、政略妻に一途な愛を捧げたい。



「……生焼け、じゃない。美味しい」


 一人で何回か作ったけど、全部生焼けで電子レンジでチンしていたのに。教えてもらうだけでこんなに上手くできるなんて……


「よかったわねぇ、脱・生焼けだもんね」

「はい。本当に良かったです! これで永眞さんに出せます」


 これなら、永眞さんも座っててなんて言わないはず……だけど、優しいからどんなものも美味しいって言ってくれるかもしれないけど。


「永眞さんって藍ちゃんの旦那さんだよね、料理が得意な」

「そうなんです。だけど、私も彼のために作れるようになりたくて」


 まだ結婚前は良かったかもしれないけど、結婚した今こんな出来ないんじゃ申し訳ない。それに一週間経ったし手作りで料理作りたいから。

< 17 / 64 >

この作品をシェア

pagetop