不遇な財閥御曹司は、政略妻に一途な愛を捧げたい。



「美味しかったです、とっても。こんなにいっぱい作ってくれてありがとうございます」

「全然いいよ。明日も食べれるようにタッパーに入れておいたから食べてね」

「ありがとうございます」

「じゃあ、マッサージもするね」


 え、マッサージも?なにこれ、すごく幸せな環境……
 永眞さんは優しく足に触れると、足のすね骨の外側の筋肉のところを押した。


「どうかな?」

「……なんだか痛いですけど、気持ちいいです。なんか効きそうな感じがします」

「本当? よかった」

「ふふ、ありがとうございます」


 その夜から永眞さんがとても過保護になった。いつも以上に優しくて、悪阻が辛いはずなのに彼が隣にいてくれるから少しだけ辛くは感じなかった。



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