義兄と結婚生活を始めます
並んで歩きながら、ノートを取り出して改めてきれいなまとめ方ができていることに、何度も感動するあおい。


「そんなに喜んでもらえるなら、教える甲斐があるよ」

「これでちょっとは頭よくなるかな!?」

「ふはっ!たぶんな~」

「あー!絶対思ってないでしょ!」


談笑する二人は玄関を出ると、ちょうど三森の車がやってくるのが見えた。
連絡を入れようと思っていたあおいは、さすが小鳥遊家の運転手さん、と驚いた。


「三森さんすごいなぁ…祐希くん、今日はありがとう。その…またわからないことあったら聞いていい?」

「いつでも。自習室、いつでも開放してるから、休みの日とかも言ってくれれば教えるよ」

「や、休みの日はさすがに…でもありがとう」

「いや!あおいにならいつでも教えるよ!…その…迷惑じゃなければ…」


食い気味に否定してしまった自分が恥ずかしくなり、後ろ頭をかいて小さく言う祐希。
クスっと笑ったあおいは、祐希の親切心を受け取ることにした。


「それじゃあ、祐希くんがひまなときに教えてもらえると助かります!」

「…うん」


二人は笑って挨拶をすると、あおいは車に乗り込んだ。
車が見えなくなるまで見送った祐希も、鞄を持ち直して歩き出す。
















…—

帰宅したあおいは、和真の帰り時間を考えて、すぐに着替えて夕飯の準備に取りかかった。
冷蔵庫を開けて食材を取り出し、トントンとリズムよく食材を刻んでいく。

気づけば、鼻歌を歌いながら料理をしている自分に気づいた。
まだ一人なキッチンだったため、和真に聞かれていたらと思うと…と、咳ばらいをして自分を落ち着けた。

料理が出来上がる頃、玄関の施錠が開く音が聞こえた。
鍋にかけた火を止めると、パタパタと玄関へ向かう。


「おかえりなさい」

「ただいま…」


ドアが閉まっても、和真はなかなか靴を脱ごうとせず、あおいをじっと見た。
見られていることを認識する度、体に緊張感に包まれる。


「えっと…どうかされましたか?」

「…いえ。今晩はシチューですか?」

「はい!…あ!わ、和食の方が良かったですか!?」

「結構ですよ。問題ありません」


ようやく靴を脱いで家に上がると、まっすぐ自室へ向かった。
着替えの最中、鞄に入れていたタブレット端末からの通知音が聞こえた。

すぐに取り出して、通知の確認をすると、タブレットを置いて、リビングへ向かう。
ダイニングテーブルには、今すぐにでも食べられるよう、シチューとサラダが盛られた皿が用意されていた。
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