義兄と結婚生活を始めます
あおいから離れた祐希は、うーんと考えると、ビッと自分を指さして笑った。


「ここに成績優秀な同級生がいまーす」

「え…」

「教えるのに定評のある草野祐希でーす。暇してまーす」


キョトンとした顔で祐希を見ていたが、ハッと気づいた。


「べ、勉強を教えてください…」

「よしきた!」


満面の笑みを見せる祐希と一緒に、自習室へ向かった。
頼もしい見方を得たように安堵するあおいだったが、あることを思い出す。


「あ、三森さんに連絡しないと。また待たせちゃう。ちょっとごめんね」

「んー」


スマホを取り出して連絡を入れている間、祐希はソワソワしながら、嬉しくて口が緩むのを必死に抑えた。
電話を終えると祐希の元へ戻る。


「お待たせ。自習室使うの初めてだな~」

「ちなみに、苦手科目はわかってる?」

「やっぱり英・数・理かな…暗記系はなんとかなるけど、あとは業界の仕組みとかがよくわかってない…かな…」


あおいの言葉を聞いて、ふむふむと考えながら自習室に着いた二人は、さっそく並んで席に座った。
各々が教科書とノートを取り出し、祐希のノートを見てあおいは小さな声で驚いた。


「す、すごくきれいにまとめられてる!」

「そう?…まとめ方のコツ、あおいにだけ教えるよ」


へへッと笑い声がもれてしまう祐希は、ノートのまとめ方のコツを教えつつ、あおいの苦手な科目のポイントを説明していった。







…ー

「わ~、なるほど!この式に当てはめたらいいんだ!」

「そそ、応用にもつながるから、覚えてた方がいい」

「化学も用語の意味もすごくわかりやすかったし、本当に教えるの上手だね!」


本当に嬉しそうに笑うあおいに、頬杖をつく祐希はドキッとした。
赤くなる顔が落ち着くまで、フイっと顔を反対に逸らす。

祐希にノートのまとめ方を聞いて、きれいにまとめられた自分のノートを眺めるあおいは、ほんの少し自信を持てた気がした。


「あ」

「ん?」

「ノートのまとめ方、誰にも教えてないから、あおいも内緒にしててな?」

「うん、約束する!」


ようやっと顔を戻した祐希は、満面の笑顔になるあおいに、とうとう教科書に顔を突っ込んで隠した。
突然の行動にびっくりするあおいは、おろおろする。


「え?え?祐希くん?」

「いや、なんでもない、大丈夫」


よくわからないままだったが、放課後の予鈴と帰宅のための曲が、校内に流れた。


「あ、これって、本当にもう帰らないといけないのかな?」

「そうそう!帰ろう!」


二人は広げた教科書やノートを鞄に入れると、自習室を出て玄関口へ向かった。
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