義兄と結婚生活を始めます
翌朝、あおいはいつも通りに起きて、朝食の準備を始める。
しばらくして、カッターシャツにネクタイをつけた和真がリビングへやってきた。


「休日なのですから、寝ていてください」

「なんだか習慣になってるみたいで…おはようございます!」

「…おはようございます」


笑顔で和真へ挨拶すると、食卓へ朝食の品を並べていく。
もちろん、あおいの分もあった。


「いただきます」


手を合わせてから食べ始めるが、和真はなかなか動かない。
不思議そうに見ていたあおいは、ハッと気づく。


(もしかして本当に朝食いらなかった!?)


おそるおそる和真を見て、聞いてみた。


「すみません…朝食…いらなかったですか…?」

「いえ、朝食が出てくるとは思っていなかったので。いただきます」


同じように手を合わせると、食事を始めた。
食べてくれたことに安堵したものの、どっちの意味で捉えればいいのかわからなかったあおい。

しかし、和真の最初に一言を思い返して、一つの考えが浮かんだ。


(…もしかして、学校がないから寝てていいってことだったのかな…)


なんとなく答えを聞くのも違う気がして、そのままにした。
そして、あおいが先に食事を終えると、すぐにケトルでお湯を沸かし始める。


「ごちそうさまでした」


入れていた水は少量だったため、和真が食べ終えた頃には、熱い湯になっていた。
パタパタと動くあおいは食器棚からマグカップを取ろうと手を伸ばしたが、和真がその手を掴んで止める。


「慌てなくても、出る時間までまだあります」

「あ…はい…」


パッと手を離した和真は、リビングへ戻り、タブレット端末を操作し始めた。
顔を赤くするあおいは、恥ずかしいやら反省やら…と、さまざまな感情が押し寄せてきたため、一度深呼吸をした。

そして、改めて落ち着いた自分を確認すると、ゆっくりとコーヒーを淹れていく。
二人の間には、会話の代わりに朝の穏やかな時間とコーヒーの香りが包んだ。

和真の元へコーヒーを運び、キッチンへ戻ると使った食器の後片付けをしていった。
ようやく和真が出る時間が来たようで、鞄を持って立ち上がる。


和真のあとに続いて一緒に玄関へ向かった。
靴べらを使ってくつを履けば、後ろにいたあおいに振り返った。


「いってらっしゃい、です」

「はい、行ってきます」


笑顔で見送ってくれるあおいに返事をして、自宅を後にする。
和真がいなくなった家で、片付けと勉強に勤しもうと、あおいはやる気を出した。

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