義兄と結婚生活を始めます
食後、和真のリクエストどおり、あたたかいココアを入れると、一緒にソファーに座って飲んだ。
数口飲んだ後に、和真は思い出しことがあり、一度自室へ戻った。


「そういえば、由梨子から見舞い品をいただきました」

「そ、そうなんですね…」

「……焼き菓子のようですが、好きなだけ食べてください」


紙袋を持って戻ってくると、そのままあおいへ手渡した。
由梨子の名前が出てきたため、少し動揺しつつ受け取った。

紙袋の中から箱を取り出すと、一緒に何かが落ちてきた。
拾い上げたのは小さなメッセージカード。

そこには、由梨子の連絡先が手書きされている。


「あおいさん?気に入ったのはありましたか?」

「え!?あ!はい…美味しそうですね!」


慌ててポケットに入れると、箱を開けてクッキーやマフィンなどの焼き菓子を選んだ。


「和真さんは、どれにしますか?」

「僕はいいですよ。あおいさんのココア以外、甘い物は苦手なので」

「そ、そうなんですね…」


少し照れつつも、焼き菓子を選ぶ手が止まる。


(これ…テレビで紹介されてた、すんごい人気の高級店のだぁ…)


ほんのりワクワクしていただけに、とんでもない金額の焼き菓子を選ぼうとしていた自分と、小鳥遊家の見舞い品の規模に笑顔のまま固まった。
ソファーに座る和真は、ココアを飲みながら、あおいの様子を観察する。


(…こんなとんでもない金額のお菓子…私なんかが食べてもいいのかな…?量が少なそうなのにしよう)


あおいが手に取ったのは、細長いチョコのクッキー。
一口食べると、目を輝かせて、サクサクな食感に笑みがこぼれた。


「美味しいですか?」

「はい!とっても!」

「気に入ったのなら、パティシエに頼んで作らせましょう」

「そ、そこまでしなくても大丈夫です!!」


思わずもう一つ、と別の焼き菓子を手に取って食べるあおいは、本当に美味しそうな表情を見せる。
見ていた和真も同じ焼き菓子を取ると、個包装から開けて一口食べた。


「……甘いですね」

「どうしたんですか?急に…」

「あおいさんが、美味しそうに食べていたので。好きなのかと」


モグモグと数回噛んだ後、口直しのようにココアを飲む和真。
甘い物が続いたからか、ココアを飲む手も止まる。


「女性は甘い物が好きだと聞きますが、飽きたりしないのでしょうか?」

「私は飽きないですね。美味しいですし、勉強の際も糖分は良いって先生が言ってました!」

「あおいさんが笑ってくれるなら、毎日買って帰りましょうか?」


笑顔で返事をしていたあおいの顔は、またほんのり赤みを帯びる。


「た、食べ過ぎは太るので、毎日じゃなくても…」

< 133 / 234 >

この作品をシェア

pagetop