義兄と結婚生活を始めます
23話
学校に着いたあおいは、まだ誰も登校していない教室に初めて入る。
少しホッとしたような、どこかソワソワするような、不思議な気持ちになった。


(誰もいない…っていうのが…変な感じ…)


いつも賑やかな教室の静けさは、あおいの気持ちを落ち着けてくれるような、そうでもないようにも感じたのだ。
あおいは、自分の席に着いて、今日の授業で使う教科書と自習用のノートを開き、勉強に勤しんでいった。

それから、気づけば教室内は、登校してきた生徒たちの賑やかさが響き渡っていた。


「あおいさん、ごきげんよう」

「おはよう」

「おはよう未来ちゃん、咲ちゃん」


教科書とノートを閉じれば、登校してきた二人と談笑し始める。
そうして、いつも通り、担任が入ってくると、あおいの学園生活が始まった。


(和真さんは…ご飯食べてくれたかな…)


そんなことをぼんやりと考えては、振り払う一日となった。




放課後は、いつものように自習室へ歩いて向かう。


「よっ」


自習室の前で、祐希が笑って待ってくれていた。
ニカッと笑うその表情を見ると、どこか安堵する自分がいるのに気づいた。

二人で自習室に入り、席に着くと、さっそく祐希が小言をもらす。


「あおいさ~、俺のこと何か言ったろ~?クラス以外のやつらも、何か勉強教えて~ってくるんだけど?」

「あはは…教えるのが上手だって、本当のことを言ったよ」


すねたように言う祐希に対して、クスクスと笑うあおい。


「おかげで放課後の時間まで頼まれそうになったんだけど。…あおいと一緒にいられる時間まで取られんのはやだ」

「……っ…」


赤面するあおいは教科書で顔を隠す。
してやったりというように、祐希はニヤニヤと笑った。


(こんなときに…!)


告白のときのことを思い出して、なかなか教科書を手放すことができないあおい。
祐希は吹き出すと、あおいが持っている教科書を指でずらしていく。


「顔見せてよ」

「だ、ダメ…~っ!!」

「早く勉強始めないと時間来るぞ~?」


笑う祐希の言葉に一理あるとして、いまだ赤い顔のままのあおいは、おずおずと教科書を離して顔を見せた。
そのまま鞄からノートを取り出して、勉強を始められるように準備した。


「じゃあ、今日は…経営学?」

「う、うん…少し意味がわかってないとこもあって…自信がないから教えてほしい、です」


こうして、二人は放課後の自習を始めた。
途中、質問をしては答えと解説を受けるあおいは、しっかりとメモを取る。
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