義兄と結婚生活を始めます
翌日以降、一週間ほどが経ち、あおいの姿も声も見聞きする機会が減った和真は、モヤモヤとしていた。
休憩時間にも関わらず、ハイスピードで業務を続けていた。
「なぁ、ちゃんと休憩取らないと、ブラックになっちゃうじゃん」
「…今日は早めに上がります」
「え、なに?どした?なんか問題?」
差し入れの缶コーヒーを置いた涼介が少し驚いた。
カタカタとキーボードを叩く手が止まる。
「なぜ?」
「だって、なんかピリついてるし。何かの案件で進捗悪いのかなーって」
「………どれも問題ありませんよ」
再び手を動かそうとしていたが、涼介の差し入れを手に取って、プルタブを開けた。
「明望の前期試験は、そろそろですよね?」
「んぁ?…そうねぇ…あんま覚えてないけど、このくらいの時期だったと思うけど…。あ、あおいちゃん頑張ってる感じ?」
「はい。熱心に勉強されているようで、帰っても部屋に籠って勉強されています」
「……ほほう…頑張り屋だねぇ…」
和真のデスクに寄りかかる涼介はコーヒーを飲み干す。
すると、そこへ由梨子がやってきた。
「和真、お昼休憩取らないの?昼食食べないと午後持たないわよ?」
「今日は早めに上がるので、問題ありません。明日までに確認してほしい資料を三点ほど共有ファイルに入れているので、目を通しておいてください」
「…わかったわ…」
由梨子は椅子に座ると、さっそくデスクトップ画面を見て操作を始める。
涼介は先ほどの話を持ち出した。
「で?明望のテスト、何か気になんの?」
「いえ。特には」
「明望?なぁに?学園の話…って、あおいさんのこと?」
「…まぁ。テスト勉強を頑張っているという話をしていただけです」
由梨子が横から話題に入って来るものの、和真は短く答えて業務に集中し始めた。
「でも、一般家庭の子が明望の特殊な科目を勉強するって…大変だよねぇ」
「そうよね。でも、小鳥遊として頑張っているのは誇らしいわね、和真?」
「……勉学は家柄のためにするわけじゃないでしょう」
由梨子の言葉を、ピシャリと否定する和真。
怯んでしまう由梨子との空気に、居心地の悪さを感じた涼介は苦笑いした。
「まぁまぁ。由梨子ちゃんの言ってることも、和真の言ってることもわかるけど、明望はそんな感じじゃん」
「…そうですが…」
「俺は何事も頑張る子、好きよ?」
空気を変えようと笑って言うものの、涼介の最後の言葉を聞いて、和真はジロリと見た。
「遠島さん、一番にお電話です」
「ん!はーいよ!!」
ナイスタイミングと言わんばかりに、涼介はそそくさと自分のデスクに戻って行った。
休憩時間にも関わらず、ハイスピードで業務を続けていた。
「なぁ、ちゃんと休憩取らないと、ブラックになっちゃうじゃん」
「…今日は早めに上がります」
「え、なに?どした?なんか問題?」
差し入れの缶コーヒーを置いた涼介が少し驚いた。
カタカタとキーボードを叩く手が止まる。
「なぜ?」
「だって、なんかピリついてるし。何かの案件で進捗悪いのかなーって」
「………どれも問題ありませんよ」
再び手を動かそうとしていたが、涼介の差し入れを手に取って、プルタブを開けた。
「明望の前期試験は、そろそろですよね?」
「んぁ?…そうねぇ…あんま覚えてないけど、このくらいの時期だったと思うけど…。あ、あおいちゃん頑張ってる感じ?」
「はい。熱心に勉強されているようで、帰っても部屋に籠って勉強されています」
「……ほほう…頑張り屋だねぇ…」
和真のデスクに寄りかかる涼介はコーヒーを飲み干す。
すると、そこへ由梨子がやってきた。
「和真、お昼休憩取らないの?昼食食べないと午後持たないわよ?」
「今日は早めに上がるので、問題ありません。明日までに確認してほしい資料を三点ほど共有ファイルに入れているので、目を通しておいてください」
「…わかったわ…」
由梨子は椅子に座ると、さっそくデスクトップ画面を見て操作を始める。
涼介は先ほどの話を持ち出した。
「で?明望のテスト、何か気になんの?」
「いえ。特には」
「明望?なぁに?学園の話…って、あおいさんのこと?」
「…まぁ。テスト勉強を頑張っているという話をしていただけです」
由梨子が横から話題に入って来るものの、和真は短く答えて業務に集中し始めた。
「でも、一般家庭の子が明望の特殊な科目を勉強するって…大変だよねぇ」
「そうよね。でも、小鳥遊として頑張っているのは誇らしいわね、和真?」
「……勉学は家柄のためにするわけじゃないでしょう」
由梨子の言葉を、ピシャリと否定する和真。
怯んでしまう由梨子との空気に、居心地の悪さを感じた涼介は苦笑いした。
「まぁまぁ。由梨子ちゃんの言ってることも、和真の言ってることもわかるけど、明望はそんな感じじゃん」
「…そうですが…」
「俺は何事も頑張る子、好きよ?」
空気を変えようと笑って言うものの、涼介の最後の言葉を聞いて、和真はジロリと見た。
「遠島さん、一番にお電話です」
「ん!はーいよ!!」
ナイスタイミングと言わんばかりに、涼介はそそくさと自分のデスクに戻って行った。