義兄と結婚生活を始めます
…—

明望学園の各学年の教室は静まり返り、カリカリと何かを書き込む音だけが、代わりに響いた。
数分後、チャイムが鳴ると、教室にいた担当教師が声をかける。


「はい、そこまで!手を止めて、後ろからテスト用紙を回してください」


ペンを置いたあおいは、後ろから回ってきた用紙に、自分の用紙を重ねて前に回した。
すると、横から未来が嬉しそうに話しかけてきた。


「前期試験終わりましたわね!」

「生きた心地しなかった…」

「あおい、そんなんで本試験大丈夫なの?」


テスト用紙を集め終えた担当教師は、教室から出ていくと、全テストが終了した安堵の声が多く上がる。
あおいも緊張感から解放されたことで、机に伏した状態で腕を伸ばした。


「咲ちゃん、本試験は今は忘れよう~…山が外れてた……」

「そうですわよ咲!やっと少しゆっくりできるんですもの。ね、あおいさん」

「頑張った頑張った」


咲は、机に伏せたあおいの背中をポンポンと叩く。
ふとポケットに入れていたスマホが震えたことに気付き、取り出して画面を開いた。

通知画面には、グループトークに投稿された祐希の名前が表示されている。


『前期試験終わったー!次の休み、久々に三人で遊ぼうぜ!』


テスト終了してからすぐに送っていることで、祐希も終わったことが嬉しいんだなと思うと、クスっと笑った。


『いいね!私はいつでも大丈夫だよ~。ちーちゃんは?』

『俺もいつでもオッケー!』


千尋は一般の高校であるため、すぐの既読や返信は来なかった。
スマホの通知が一旦止まると、ポケットに入れて授業の準備を始める。


「テストが終わっても、通常授業があるって…すごいね、さすがは明望…」

「そこは一般校が羨ましくなるよね…」

「あら、業界は待ってくれないんですもの、しっかり吸収して学びませんと」


明望で当たり前に過ごしてきた未来にとって、遠い目をする咲とあおいの様子が不思議に見えたらしい。




お昼休みになると、ようやく千尋から返事がきた。


『土曜日にしよう~!祐希とか久々だからめっちゃ楽しみなんだけど!』

『昼からにするか』

『ランチして映画とかは?話題のあのコメディの見たい!』

『いいね、ちーちゃんのプランに賛成!』

『決まり~』


休みの楽しみができたあおいは、午後は気合を入れて授業を受けた。
しかし、放課後が近づくにつれて、一つの問題点に気付いた。

和真への接し方だ。
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