義兄と結婚生活を始めます
席に案内されると、対面で座る二人。
祐希はどこか落ち着かない様子で、すぐにメニュー表を手に取った。


「どれにしようかな~」

「…っ…」


広げたメニュー表を一緒にのぞき込むあおいに、祐希は思わず顔を逸らしてしまう。


「は!!フレンチトーストのセットはデザートも付いてくるの!?わ~迷うね~!」

「…んん…」


メニューの豊富さに目を輝かせるあおいとは反対に、その反応に可愛さを感じてしまう祐希。
気付かれないように深呼吸をして自分を落ち着ける。


「よぉし!私はフレンチトーストのアイスセットにしようかな。祐希くんは決まった?」

「じゃあ、俺は~…このパスタセット」


祐希は店員に声をかけ、自分とあおいの分の注文をした。


「それにしても、ちーちゃん大丈夫かな?祐希くんと同じくらい楽しみにしてたと思うから…また別の日だね」

「だな~……まじで」


あおいとは違う事情を伝えられているため、祐希は素直に頷けない。
しばらくして、二人が注文したセットが配膳された。


「わ~!美味しそう~」

「ふはっ、あおいってほんと、フレンチトースト好きだよな!」

「え、覚えてくれてたの!?」

「覚えてる覚えてる。家に行ったとき、俺の分まで食べて怒られてたじゃん」

「そこは忘れようよ!きれいに!」


二人で笑った後、食事を始めた。














…ー
和真は自社の会議室で、あおいの父親と会っていた。


「休日にすみません、海崎さん」

「とんでもないです!すみれの件、ありがとうございます…!!」

「まだはっきりとした状況ではないので、お礼は早いです」


淡々と伝えると、タブレット端末の画面をあおいの父親へ見せた。
そこには、すみれの現在の写真と、報告文章がまとめられている。


「すみれです!…白衣…?ではないですよね…?」

「フランスの料理店で働いているようです」

「は!?いや、え…!?」


驚きを隠せない父親は、顔色を青くしたり白くしたりと忙しない。


「とりあえず、現地の調査スタッフに様子を見させて、頃合いを見てから接触を試みようと思っています。ですので、あおいさんを含めてまだ他言無用でお願いします」

「そうですか…わかりました…!小鳥遊さん!本当に申し訳ありません!それからありがとうございます!!これであおいも希望の学校に行かせられます!」

「…そう…ですね」


二人は会議室を出ると、各々の部署へ戻って行った。
和真は、自分の部署のデスクに涼介がいることに気付いた。


「よっ。休日に呼び出しって何?俺、なんかした?」

「海崎すみれさんが見つかりました」

「まじかい。どこにいんの?」


あおいの父親と同様の説明をした後、大きな驚きは見せない涼介。
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