義兄と結婚生活を始めます
学園に着いた二人は、職員室で入室表に名前を記載し、自習室へ向かった。


「私服で学園に来るのって変な感じだね~」

「わかる。あと、変にワクワクするよな」

「確かに!」


うんうんと頷き合いながら、静かな自習室に入る。
常駐する教師も、他の生徒もいない自習室。


「わ~…誰もいないね。今日はちょっと大きめの声で話しても注意されないね」

「…だな」


あおいはさっそくいつもの席に座ると、教科書とノートを取り出して広げた。
しばらく入口に立っていた祐希も、遅れてあおいの隣の席に座った。


「あの問題が難しかったんだよね~…ここ」


難しさを感じた記憶のある問題をサラサラとノートに書いていくと、祐希に見せる。


「ここは、応用だな。…こう」

「わぁ……点落としたぁ…」

「まだわかんないだろ。俺は、経営学のあの選択問題がさー…」


二人はお互いに躓いた問題を出し合っては、答え合わせのように記入した解答を教え合った。
祐希が言う解答と違う部分が多く、あおいは落ち込んだ。


「大丈夫だって。俺も勘のところあるって」

「祐希くんの勘、当たるんじゃない?天才だし」

「じゃあ、当たったら天才くんって呼んで」


祐希の冗談に笑ってしまいながら、改めて復習会をしていく二人。
あおいは、いくつかの応用問題を作ってもらい、一生懸命解いていた。

手持ちぶさたとなった祐希は、あおいの横顔を見る。
その視線に気づくと、祐希の方へ顔を向けた。


「ん?」

「…いや…今二人きりだなー…って……」


祐希の口からついて出た言葉に、同時に顔を赤くする。
問題に集中しようとノートへ顔を戻すも、視線だけ祐希を見ると、赤くなった顔を帽子で隠していた。

自分のことを本当に好いてくれているのが、十分に伝わってくると、あおいの鼓動が速くなった。
気持ちを落ち着けつつ、なんとか問題を解くと、ノートを祐希に差し出した。


「…お、お願いします…」

「はい…」


丸付けする祐希の手元を覗き込むと、解き方の部分に丸がついた。


「…お、ここ正解。ここも」

「え、ほんと?」

「うん。…ここも合ってる」

「やった!ありがとう!」


パァッと表情が明るくなると、返されたノートを嬉しそうに見返すあおい。
その様子に、祐希も思わず笑みがこぼれた。


「あ、ここの解き方もこれで合ってる?」

「………うん、そう、合ってる」

「よーし!ここ絶対合ってる!」


テストに出ていた部分だったようで、あおいは両手を上げて喜んだ。
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