義兄と結婚生活を始めます
吹き出た笑いは止まらず、声が出て笑ってしまった。


「あはは!…和真さん、かわい…!っふふ」

「…可愛いは心外です…」


今度は和真が耳を赤くして、恥ずかしがったが、あおいの笑顔を見て優しく微笑んだ。


「あおいさん、ただいま」

「…おかえりなさい、和真さん」


あおいも同じように、笑顔でいつもの挨拶を交わした。


「さっそくなんですが、あおいさんのココアが飲みたいです」

「じゃあ、作りますね」


微笑んだまま立ち上がるあおいに続いて、和真も立ち上がると思わず手を繋ぐように掴んだ。


(……ん゛…!?)


「えっと…和真さん…?」

「…あ……すみません…あおいさんとは一緒にいたくて…」

「…私も………と、とにかく!ココアを作りにいきましょう!!」


和真と同じ気持ちにも関わらず、由梨子との約束を頭を過ぎると、最後まで言えなかった。
それでも、手を離さない二人はそのままキッチンへ行く。

そこでようやく和真が離してくれると、あおいはココアを作り始めた。


「…草野くんとは小学生の頃からのお知り合いだとか?」

「え?はい…どうして知ってるんですか?」

「ご本人から聞きました」

「へ〜…それって……」


いつどこで話したのかを聞こうとすると、祐希からの告白と結婚の約束を思い出して、顔を赤くすると和真から逸らす。

すかさず反応した和真はあおいに近寄り、顔を覗き込んだ。


「どうされました?」

「な、なんでもありません…!」

「…何かあります」


じぃっと見てくる和真の視線から徐々に逸らし出した。


「…また避けられるんでしょうか?」

「しません!」


バッと和真の方を見て本音を言ってしまうと、和真があおいの髪を絡め取り、口元へ持っていく。


「言って?」


真剣な眼差しの和真の唇に、あおいの髪が触れていた。


「…っ…、その…ほんとに、子どものときの約束なんですけど…祐希くんが転校するとき…また会えたら…け、結婚しよう…って……再会したときにも言われて…」


顔を真っ赤にして口籠ると、視線を落として指をもじもじさせる。
すると、和真が近づいて、吹きこぼれそうになっていた鍋の火を止めた。


「…それは困ります」

「え…?」


あおいの髪から手を離すと、ココアを二人のマグカップへ注ぎ、ソファーへ持って行った。
おずおずと後から行くと、マグカップを受け取り、和真の隣に座るあおい。


「あの…」

「あおいさんは僕の妻です。だから、困ります」

「…でも…私は…お、お姉ちゃんの代役で…」


苦笑いしながら答えていたあおいの目から、涙がこぼれ落ちた。
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