義兄と結婚生活を始めます
横にいる和真との近さにドキドキしてしまうが、教えてもらう側として、集中しなければと思うあおい。


「ここの公式はわかりますか?」

「あ、はい!祐希くんに教えてもらって…応用にも使えるって…応用のときのやり方が違うんでしょうか…?」

「……途中までは合っていますよ。ただ、ここからの代用がYではなく、Xが動きます」


祐希の名前にピクリと反応したが、答案用紙に式を書き込んでいく。
じっと見ながら説明を聞くあおいに、一つ一つ頷くのを確認し、新たな問題を書いて渡した。


「……うー、ん……」


解き始めあおいは、和真が説明して書いた式をチラチラと見ながら、自分なりに解いていった。
何度か消して書いてを繰り返し、解答を終えたプリントを和真に差し出す。


「お願いします…!」

「はい」


あおいの解答をじっと見ると、あおいへ視線をずらした。


「この式の計算の仕方を説明してもらえますか?」

「え!?え、えっと…まず…ー」


たどたどしくも、自分がどのように解いていったのかを、和真に解説した。
解説を終えると、少し考え込んだ和真。


「うん、概ね合っていますね。あと数問解いて、理解力を深めましょうか」


和真はさらに設問を二つ書くと、あおいへ差し戻す。
先ほどよりも少し難しさを感じたのか、解いていた手が途中で止まった。


「…解けそうですか?」

「だいっ、大丈夫です…!」


顔を覗き込んでくる和真から、逸らすように用紙の隅へ走り書きをした。
少ししてから、解き終えた式を一つずつ確認すると、和真へ差し出す。


「お願いします!」

「はい。合っていますよ」


すぐに答え合わせされたことに驚くと、用紙と和真を往復して見た。


「解き方も問題ありません。きちんと理解されましたね」

「やった…!」


笑顔になるあおいは、和真のじっと見てくる視線に気づく。


「あ…す、すみません…」

「草野くんはいつも、このあおいさんを見ていたんですね」

「え…?え!?」

「少し前に草野くんと会うことがありまして…そこであおいさんの様子を聞いていました」


驚くあおいは、深く聞いていいのか迷ってしまった。
和真もそれ以上は何も言わず、ただあおいを見つめる。


「次、行きましょうか」

「はい…!」


あおいの頭をポンポンと撫でると、時間がくるまで学習に付き合った。
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