義兄と結婚生活を始めます
お互いにスプーンを持つと、さっそく食べ進める。
「味は市販のなので、安心してください」
「あおいさんの味付けも、美味しいですよ」
「あ、ありがとうございます…」
おもむろに手を止めたのは、あおいだけではなかった。
「あ、そういえば、今日の昼にフレンチトーストを食べました」
「え?…甘い物…克服したんですか?」
「いえ。あおいさんの言う、甘めのフレンチトーストの味を知っておきたくて食べました」
キョトンとしていたあおいの顔は、急激に赤みを帯びるのを、しっかりと目視した和真。
あわてて手で隠すように前髪を触るあおいは、少しうつむき気味になった。
(…覚えててくれてた…)
嬉しさでいっぱいになる気持ちを感じるあおいは、またニヤけてしまう口をキュッと閉じる。
「思っていた以上に、甘いですね」
「そ、そう…です、ね…?」
なかなか顔を上げられない代わりに、モグモグとチャーハンを食べるあおい。
あおいの胸中を知ってか知らずか、和真もクスっと笑ってから食べ進めた。
食後、あおいはいつものようにお湯を沸かし、コーヒーの用意をする。
それを見ていた和真は、思わず声をかけた。
「コーヒーですか…」
「え…お昼が甘かったって言ってたので……あっ…!す、すみません…つい…。別のものを飲みますか?」
「いえ、気にかけていただいて、ありがとうございます。そのまま、コーヒーをお願いします」
「はい」
笑顔で頷くあおいは、自室へ戻っていく和真を見送った。
しばらくしてお湯も沸き、コーヒーの香りがキッチンに広がる。
まだまだ慣れない淹れ方なため、本来の美味しさを引き出せているか不安はあったが、あおいはカップを持った。
すると、ポケットに入れていたスマホが震えたのに気づき、通知が入ったであろうことがわかった。
構わず、和真の部屋へ向かい、ドアをノックする。
二、三回ノックすると、ドアが開いた。
「ありがとうございます」
「あの…あまり無理しないでくださいね…?」
「…あおいさんも」
カップを受け取ってすぐに一口飲むと、あおいの頭を優しく撫でる。
「おやすみなさい」
「お、おやすみなさい…っ」
和真の部屋のドアがゆっくり閉まると、あおは名残惜しさを感じる気持ちを振り払い、自室へ入った。
自分一人の部屋となると、徐々に気持ちも緩み、フレンチトーストの件について、改めて嬉しさを噛みしめるように、そばにあったクッションを抱いた。
「あ」
ポケットからスマホを取り出すと、入っていた通知を確認する。
アプリゲームの通知、小説更新の通知、由梨子からのショートメールがあった。
『土曜日、12時にNカフェ』
たったの一文だけで、あおいの気持ちは、一気にどん底へ落ちてしまった感覚になった。
「味は市販のなので、安心してください」
「あおいさんの味付けも、美味しいですよ」
「あ、ありがとうございます…」
おもむろに手を止めたのは、あおいだけではなかった。
「あ、そういえば、今日の昼にフレンチトーストを食べました」
「え?…甘い物…克服したんですか?」
「いえ。あおいさんの言う、甘めのフレンチトーストの味を知っておきたくて食べました」
キョトンとしていたあおいの顔は、急激に赤みを帯びるのを、しっかりと目視した和真。
あわてて手で隠すように前髪を触るあおいは、少しうつむき気味になった。
(…覚えててくれてた…)
嬉しさでいっぱいになる気持ちを感じるあおいは、またニヤけてしまう口をキュッと閉じる。
「思っていた以上に、甘いですね」
「そ、そう…です、ね…?」
なかなか顔を上げられない代わりに、モグモグとチャーハンを食べるあおい。
あおいの胸中を知ってか知らずか、和真もクスっと笑ってから食べ進めた。
食後、あおいはいつものようにお湯を沸かし、コーヒーの用意をする。
それを見ていた和真は、思わず声をかけた。
「コーヒーですか…」
「え…お昼が甘かったって言ってたので……あっ…!す、すみません…つい…。別のものを飲みますか?」
「いえ、気にかけていただいて、ありがとうございます。そのまま、コーヒーをお願いします」
「はい」
笑顔で頷くあおいは、自室へ戻っていく和真を見送った。
しばらくしてお湯も沸き、コーヒーの香りがキッチンに広がる。
まだまだ慣れない淹れ方なため、本来の美味しさを引き出せているか不安はあったが、あおいはカップを持った。
すると、ポケットに入れていたスマホが震えたのに気づき、通知が入ったであろうことがわかった。
構わず、和真の部屋へ向かい、ドアをノックする。
二、三回ノックすると、ドアが開いた。
「ありがとうございます」
「あの…あまり無理しないでくださいね…?」
「…あおいさんも」
カップを受け取ってすぐに一口飲むと、あおいの頭を優しく撫でる。
「おやすみなさい」
「お、おやすみなさい…っ」
和真の部屋のドアがゆっくり閉まると、あおは名残惜しさを感じる気持ちを振り払い、自室へ入った。
自分一人の部屋となると、徐々に気持ちも緩み、フレンチトーストの件について、改めて嬉しさを噛みしめるように、そばにあったクッションを抱いた。
「あ」
ポケットからスマホを取り出すと、入っていた通知を確認する。
アプリゲームの通知、小説更新の通知、由梨子からのショートメールがあった。
『土曜日、12時にNカフェ』
たったの一文だけで、あおいの気持ちは、一気にどん底へ落ちてしまった感覚になった。