義兄と結婚生活を始めます
翌朝、浮かない顔で支度を終えたあおいは、キッチンで朝食の準備をしていた。
(また由梨子さんとお話し…でも、今度は和真さんと別れた報告をするって意味だよね…)
しゃもじを持って、うーんと唸るあおい。
「また考え事ですか?」
「わ!お、おはようございます!」
「おはようございます」
挨拶を済ませると、急いで茶碗にごはんをよそい、食卓へ運んだ。
(…和真さんとそういう話になってないし…むしろ……)
先日の玄関での出来事を思い出すと、赤くなる顔を俯かせてご飯を食べる。
(やっぱり、私からいきなりは話せないしなぁ…そこも含めての報告でいいのかな…)
なんとなくでも、進展していない報告をした際の由梨子を想像すると、とても怖い笑みを浮かべられそうだと感じるあおい。
肩でため息をつくと、食事を終えた。
食器を下げていると、和真も続いて下げにやってきた。
「本当に大丈夫ですか?」
「え!?あ…はい…!」
顔を覗き込まれるが、笑顔で返事をすると、和真は黙って見つめた後、その場を立ち去ろうとした。
しかし、あおいは、反射的にカッターシャツの袖を掴んでしまった。
立ち止まった和真は、ゆっくりとあおいの方へふり返る。
自分の行動にハッと気づくと、顔を赤くしたが、なぜだか袖は離せなかった。
「…どうしました?」
「……えっと…。す、すみません…はは…」
名残り惜しくも、パッと手を離すと、顔を見られないよう和真の横を通り過ぎた。
しかし、今度は和真が腕を掴んであおいの動きを止める。
上げられたあおいの顔は、どこか泣きそうな表情になっているのに気づいた。
「学校で何かあったんですか?」
「ち、違います…!楽しいです!……あの、手…握りたい…です」
思わず出た言葉にハッとして、真っ赤になる顔で訂正しようとした。
しかし、あおいの腕を掴んでいた手はそっと離され、和真は両手をゆっくりとあおいへ差し出した。
和真の手をじっと見つめたあおいは、大きな手に自分の手を重ねる。
「本当に何か」
「和真さんの手、おっきくて、安心します…。大丈夫です」
あおい自らキュッと握った手に気付くと、和真も優しく握り返した。
「…何かあれば、すぐに言ってくださいね?」
「……はい…」
ニコッと笑ったあおいは、ようやく手を離して、和真と一緒に玄関へ向かった。
土曜日に由梨子と会うことで、この生活が何か変わる可能性があるかもしれない、そんな不安があおいの胸の中に広がる。
「…いってきます」
小さく呟くと、玄関のドアが閉まった。
(また由梨子さんとお話し…でも、今度は和真さんと別れた報告をするって意味だよね…)
しゃもじを持って、うーんと唸るあおい。
「また考え事ですか?」
「わ!お、おはようございます!」
「おはようございます」
挨拶を済ませると、急いで茶碗にごはんをよそい、食卓へ運んだ。
(…和真さんとそういう話になってないし…むしろ……)
先日の玄関での出来事を思い出すと、赤くなる顔を俯かせてご飯を食べる。
(やっぱり、私からいきなりは話せないしなぁ…そこも含めての報告でいいのかな…)
なんとなくでも、進展していない報告をした際の由梨子を想像すると、とても怖い笑みを浮かべられそうだと感じるあおい。
肩でため息をつくと、食事を終えた。
食器を下げていると、和真も続いて下げにやってきた。
「本当に大丈夫ですか?」
「え!?あ…はい…!」
顔を覗き込まれるが、笑顔で返事をすると、和真は黙って見つめた後、その場を立ち去ろうとした。
しかし、あおいは、反射的にカッターシャツの袖を掴んでしまった。
立ち止まった和真は、ゆっくりとあおいの方へふり返る。
自分の行動にハッと気づくと、顔を赤くしたが、なぜだか袖は離せなかった。
「…どうしました?」
「……えっと…。す、すみません…はは…」
名残り惜しくも、パッと手を離すと、顔を見られないよう和真の横を通り過ぎた。
しかし、今度は和真が腕を掴んであおいの動きを止める。
上げられたあおいの顔は、どこか泣きそうな表情になっているのに気づいた。
「学校で何かあったんですか?」
「ち、違います…!楽しいです!……あの、手…握りたい…です」
思わず出た言葉にハッとして、真っ赤になる顔で訂正しようとした。
しかし、あおいの腕を掴んでいた手はそっと離され、和真は両手をゆっくりとあおいへ差し出した。
和真の手をじっと見つめたあおいは、大きな手に自分の手を重ねる。
「本当に何か」
「和真さんの手、おっきくて、安心します…。大丈夫です」
あおい自らキュッと握った手に気付くと、和真も優しく握り返した。
「…何かあれば、すぐに言ってくださいね?」
「……はい…」
ニコッと笑ったあおいは、ようやく手を離して、和真と一緒に玄関へ向かった。
土曜日に由梨子と会うことで、この生活が何か変わる可能性があるかもしれない、そんな不安があおいの胸の中に広がる。
「…いってきます」
小さく呟くと、玄関のドアが閉まった。