義兄と結婚生活を始めます
「俺も安心。…っし!ほんじゃ、小鳥遊さんが通ってほしいってお願いしてくるくらい、本試験でいい点目指そう!」

「うん!頑張ろう!おー!」

「そこ!!静かになさい!」


二人で挙げた拳は常駐する教員の注意によって、シオシオと縮ませられた。
祐希と顔を見合わせるあおいは、同時にふき出して、クスクスと一緒に笑う。

しかし、ハッと和真の言葉を思い出すと、ゴホンと咳払いをして空気を切り替えようとした。


「さ、勉強しよ。勉強」

「ん。じゃあ、数学と化学どっちがいい?」

「うっ…!数…化………数学!」

「んじゃあ、前期試験に出てた問題も混ぜたの作るな~」


得意げに笑う祐希は、スラスラと問題を作り始める。
今日の分のノートを見返しながら、祐希の問題を待つあおい。


(数学は和真さんに教えてもらったとこも多いし、大丈夫!…なはず…)


少し緊張気味に問題を待っていると、隣から問題が書かれたノートが出された。


「よし!」


意気込むあおいの様子を柔らかな表情で見てしまう祐希は、隠すように頬杖をついた。
一生懸命に問題と向き合って解くあおいをじっと見ていると、徐々に顔が赤くなる。


「…祐希くん?」

「……っ」


不意に目だけを上げるあおいの視線と合うと、祐希の体はビクリと跳ねた。


「解けたので、お願いします!」

「…〜…おぉ…」


笑顔でノートを差し出すあおいから視線だけ逸らしつつ、受け取った。
丸つけを始める祐希の手元を覗き込むあおい。

距離の近さに体が強張りそうになったが、ぐっと堪えた。
空調の風によって、あおいの黒髪がサラッと、祐希の手を撫でる。


「あ、やった!そこ合ってた!」

「うん…すげぇ…難しいと思ってたのに…」

「えへへ。実は和真さんにも教えてもらったから、ちょっと自信あったの!」

「…あっ…おい…」


和真の名前を聞いて、思わずあおいが机に置いた手に、自分の手を重ねる祐希。
びっくりするあおいは、驚きからか、パチクリとした目で祐希を見た。

そして、重ねられたままの手に視線が行くと、祐希が力を込めていて離さない。
祐希の様子から、少し不安になるあおいは、そっと声をかける。


「あの…祐希く…?」

「…今、聞きたい…あおいの気持ち…俺のことどう思ってる?」

「へ…」


ちょうど良くなのか、タイミング悪くなのか、下校のチャイムと曲が流れ出した。
少ない周囲も帰宅の準備を終えると、自習室から吐けて行く。

それでも、祐希はあおいの手を離そうとはせず、見てわかるほどの赤い顔であおいを見つめる祐希。
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