義兄と結婚生活を始めます
そして、フーッと深く息を吐くと、会議室を出てエレベーターへ向かった。
すぐに乗り込むと37階のボタンを押し、ドアを閉める。
次にドアが開いた階は、モダン調のデザインの壁や床となっており、他の階のフロアとはまったく別の景色だった。
構わず歩き出す和真は、まっすぐある部屋のドア前で歩を止める。
腕を上げてドアをノックすれば、すかさず一人の男性が顔を出した。
「和真様」
「社長にお話しがあります」
和真の言葉を聞けば、さらにドアを開けて、中へと促した。
構わず入って行くと、背面を大きな窓ガラスにして、気品ある長机と、椅子に座る小鳥遊社長が顔を上げる。
「…事前の連絡はあったが…朝イチとはな。なんだ?」
「海崎すみれさんの件ですが、帰国することがわかりました」
「調査はしていると思っていたが…何の報告もなかったな?」
「気づいているんですから、進捗を含めた報告は無用でしょう」
「…それだけか?なら、田中に言伝れば済んだ話だ」
さも自分は忙しい、と言わんばかりに顔をしかめる。
しかし、無表情の和真は話を続けた。
「先に海崎すみれさんに接触して、彼女の将来を潰しにかかった、というのは本当ですか?」
和真の言葉にピクリと反応を見せると、社長は頬杖をついた。
「心外だな。選択肢を与えただけだ」
「僕との婚姻と勤め先の店を天秤にかけさせることは、“選択肢"と言わないのでは?」
「……お前は小鳥遊の跡取りだ。相応の相手でなければならん。家柄ではなく、才女の方が上手くいくだろうと考えてな。我の強い由梨子ではダメだ」
「…なるほど、わかりました」
踵を返す和真の背中を見ると、社長は立ち上がる。
「明後日の午後だ。海崎くんに伝えておきなさい。場所はここだ」
「…お伝えしておきます」
ドア前にいた田中がドアを開けて、和真が出ていくと静かに閉めた。
そこでようやく、和真は小さくため息をついた。
来たときと同様、エレベーターを待っている間、視線だけが下に落ちる。
しかし、あおいの顔や来る前の声を思い返していると、エレベーターの扉が開いた。
顔をしっかり上げてエレベーターに乗り込み、自分の部署の階のボタンを押した。
何度か途中の階で、人が乗り降りする。
その度に、和真への会釈やすり寄るような言葉をあしらっていた。
ようやく自分が降りる階でドアが開き、降りた。
フロアを過ぎて部署のドアを開けると、自分のデスクに着く。
すぐに乗り込むと37階のボタンを押し、ドアを閉める。
次にドアが開いた階は、モダン調のデザインの壁や床となっており、他の階のフロアとはまったく別の景色だった。
構わず歩き出す和真は、まっすぐある部屋のドア前で歩を止める。
腕を上げてドアをノックすれば、すかさず一人の男性が顔を出した。
「和真様」
「社長にお話しがあります」
和真の言葉を聞けば、さらにドアを開けて、中へと促した。
構わず入って行くと、背面を大きな窓ガラスにして、気品ある長机と、椅子に座る小鳥遊社長が顔を上げる。
「…事前の連絡はあったが…朝イチとはな。なんだ?」
「海崎すみれさんの件ですが、帰国することがわかりました」
「調査はしていると思っていたが…何の報告もなかったな?」
「気づいているんですから、進捗を含めた報告は無用でしょう」
「…それだけか?なら、田中に言伝れば済んだ話だ」
さも自分は忙しい、と言わんばかりに顔をしかめる。
しかし、無表情の和真は話を続けた。
「先に海崎すみれさんに接触して、彼女の将来を潰しにかかった、というのは本当ですか?」
和真の言葉にピクリと反応を見せると、社長は頬杖をついた。
「心外だな。選択肢を与えただけだ」
「僕との婚姻と勤め先の店を天秤にかけさせることは、“選択肢"と言わないのでは?」
「……お前は小鳥遊の跡取りだ。相応の相手でなければならん。家柄ではなく、才女の方が上手くいくだろうと考えてな。我の強い由梨子ではダメだ」
「…なるほど、わかりました」
踵を返す和真の背中を見ると、社長は立ち上がる。
「明後日の午後だ。海崎くんに伝えておきなさい。場所はここだ」
「…お伝えしておきます」
ドア前にいた田中がドアを開けて、和真が出ていくと静かに閉めた。
そこでようやく、和真は小さくため息をついた。
来たときと同様、エレベーターを待っている間、視線だけが下に落ちる。
しかし、あおいの顔や来る前の声を思い返していると、エレベーターの扉が開いた。
顔をしっかり上げてエレベーターに乗り込み、自分の部署の階のボタンを押した。
何度か途中の階で、人が乗り降りする。
その度に、和真への会釈やすり寄るような言葉をあしらっていた。
ようやく自分が降りる階でドアが開き、降りた。
フロアを過ぎて部署のドアを開けると、自分のデスクに着く。