義兄と結婚生活を始めます
「今夜は何を作るんですか?」
「…うどん、にします!」
和真の顔をじっと見て考えていたあおいは、献立を決めると鍋を取り出す。
「これにお水を入れて沸かしてもらえますか?」
「はい…」
鍋を受け取ると動き始める和真。
あおいは冷蔵庫から食材を取り出していく。
「和真さん、そこのお出汁の素取ってもらえますか?」
「これですか?」
「はい。それからその引き出しにあるお醤油とみりんとー…」
次々と出てくる単語に、和真の動きが少し鈍くなった。
ようやく理解して見つけると、あおいと同時に伸ばした手が当たる。
「…あっ…ご、ごめんなさい…」
「こちらでいいですか?」
「はい、ありがとうございます」
取ろうとしていたものを和真から受け取ると、調味料を鍋に入れていった。
計量などはせずに目分量で入れていくあおいを、和真はじっと見た。
「どうかしました…?」
「…分量を覚えていることに驚いています」
「へ…あははっ、そんなことないですよ。“大体"の分量で入れてるだけで…ふふ」
「…?」
「お姉ちゃんが料理上手なんですけど、作ってるところを初めて見たとき、和真さんと同じこと言ったなぁ…って」
クスクスと思い出し笑いするあおいは、出し汁を味見した。
少し考えると、また調味料を入れて整え、和真に出し汁の入った小皿を差し出す。
「このくらいでいいですか?」
「……はい、美味しいです」
嬉しそうに笑うあおいは、うどんを二玉入れた。
「手伝いという手伝いをしていないですね」
「そんなことないです!味見係は絶対必要なんですよ?それに…和真さんの好きな味を教えてもらえてるみたいで、助かり?ます…」
和真の手伝いの必要性を上手く説明できているか、少し自信なさげに話していると、ポケットに入れていたスマホが震えた。
着信なようで、いつまでもバイブ音が止まらないため、画面を確認する。
「あれ?お父さんだ。和真さん、ごめんなさい。ここお任せしていいですか?」
「はい」
「ありがとうございます。…もしもしお父さん?…うん。…うん、え!?ほんと!?」
ぐつぐつと煮える鍋に視線を落としたまま、あおいの声音が驚きから嬉しさへ変わるのがわかった和真。
すみれの話が上がっているだろうことは、わかっていた。
「和真さん!お姉ちゃん、見つかって…!帰ってくるって!!」
姉が見つかって喜ぶ義妹の姿、のはず。
行方不明の家族が見つかったのだ。
泣いて喜ぶのもおかしくない、そう思う傍ら、違和感を覚えてしまう和真。
「…うどん、にします!」
和真の顔をじっと見て考えていたあおいは、献立を決めると鍋を取り出す。
「これにお水を入れて沸かしてもらえますか?」
「はい…」
鍋を受け取ると動き始める和真。
あおいは冷蔵庫から食材を取り出していく。
「和真さん、そこのお出汁の素取ってもらえますか?」
「これですか?」
「はい。それからその引き出しにあるお醤油とみりんとー…」
次々と出てくる単語に、和真の動きが少し鈍くなった。
ようやく理解して見つけると、あおいと同時に伸ばした手が当たる。
「…あっ…ご、ごめんなさい…」
「こちらでいいですか?」
「はい、ありがとうございます」
取ろうとしていたものを和真から受け取ると、調味料を鍋に入れていった。
計量などはせずに目分量で入れていくあおいを、和真はじっと見た。
「どうかしました…?」
「…分量を覚えていることに驚いています」
「へ…あははっ、そんなことないですよ。“大体"の分量で入れてるだけで…ふふ」
「…?」
「お姉ちゃんが料理上手なんですけど、作ってるところを初めて見たとき、和真さんと同じこと言ったなぁ…って」
クスクスと思い出し笑いするあおいは、出し汁を味見した。
少し考えると、また調味料を入れて整え、和真に出し汁の入った小皿を差し出す。
「このくらいでいいですか?」
「……はい、美味しいです」
嬉しそうに笑うあおいは、うどんを二玉入れた。
「手伝いという手伝いをしていないですね」
「そんなことないです!味見係は絶対必要なんですよ?それに…和真さんの好きな味を教えてもらえてるみたいで、助かり?ます…」
和真の手伝いの必要性を上手く説明できているか、少し自信なさげに話していると、ポケットに入れていたスマホが震えた。
着信なようで、いつまでもバイブ音が止まらないため、画面を確認する。
「あれ?お父さんだ。和真さん、ごめんなさい。ここお任せしていいですか?」
「はい」
「ありがとうございます。…もしもしお父さん?…うん。…うん、え!?ほんと!?」
ぐつぐつと煮える鍋に視線を落としたまま、あおいの声音が驚きから嬉しさへ変わるのがわかった和真。
すみれの話が上がっているだろうことは、わかっていた。
「和真さん!お姉ちゃん、見つかって…!帰ってくるって!!」
姉が見つかって喜ぶ義妹の姿、のはず。
行方不明の家族が見つかったのだ。
泣いて喜ぶのもおかしくない、そう思う傍ら、違和感を覚えてしまう和真。