義兄と結婚生活を始めます
こんなときに限って、ちょうどよくエレベーターは止まってくれる。
三人一緒に乗ると、またもや気まずい沈黙に包まれた。
(い、胃が痛い……)
父親を思い返しながら、視線を下に落とす。
それにしても、エレベーターはずっと上に上がって、止まる様子がない。
「和真さん…社長室って、何階にあるんですか…?」
「…37階ですね」
「さん…!?」
階数を重ねる表示画面を見上げ、答える和真。
驚くあおいとは対照的に、すみれは黙ったまま腕を組んでいた。
ようやく表示された37階でエレベーターが止まると、重い扉が開く。
すると、先の方で見慣れた二人の姿があった。
「お父さん、お母さん!」
「すみれ!あおい!」
両親へかけ寄る姉妹は、久々に一家が揃ったことを泣いて喜んだ。
「まったく!心配かけて…!」
「ごめんね、お父さん、お母さん…」
「小鳥遊さん!ここまでありがとうございます!」
「…いえ…」
海崎家の家長である父親から目を逸らすと、社長室の扉をノックした。
その様子に、あおいは息をのむ。
あれほど来てほしくなかった瞬間が、和真の手によって迎えるからだ。
ドアが開くと田中が顔を出す。
「皆さん、どうぞ中へ」
和真が海崎家に伝えると、先に中へ入った。
あおいの父親を筆頭に、一同が中に入る。
目の前には長机と、大きな背もたれのついた椅子が人数分用意されていた。
ただし、すでに一人、小鳥遊社長がすでに座っている。
「社長…!」
田中の案内を受けて、海崎家が順に座った。
あおいが座る頃、まだ立ったままの和真が頭を下げる。
「この度は、小鳥遊が海崎すみれさんに大変失礼な行いをしたこと、申し訳ございませんでした」
「はぇ!?え!?ちょ、たっ、小鳥遊さん!頭を上げてください!!」
「大切なご息女への非礼、父に代わってお詫びします」
ガタッと立ち上がるあおいの父親は、あたふたしながら和真と社長を交互に見る。
あおいも驚いたまま、不安そうに頭を下げ続ける和真を見た。
「頭ひとつ下げて終わりなんですか?」
「す!すみれ!?何を言って…!!」
「私、本当ならみんなに笑ってもらってからフランスに行きたかった。よくも台無しにしてくれましたね、小鳥遊さん。あの時、サービスにデザートなんて出すんじゃなかった…」
小鳥遊社長を見ることなく、噛み締めるように言葉を放つすみれ。
当の社長も何食わぬ顔でいる。
「あの…一体何が…?」
海崎家の視線が和真とすみれに向かうと、すみれが話してくれた。
三人一緒に乗ると、またもや気まずい沈黙に包まれた。
(い、胃が痛い……)
父親を思い返しながら、視線を下に落とす。
それにしても、エレベーターはずっと上に上がって、止まる様子がない。
「和真さん…社長室って、何階にあるんですか…?」
「…37階ですね」
「さん…!?」
階数を重ねる表示画面を見上げ、答える和真。
驚くあおいとは対照的に、すみれは黙ったまま腕を組んでいた。
ようやく表示された37階でエレベーターが止まると、重い扉が開く。
すると、先の方で見慣れた二人の姿があった。
「お父さん、お母さん!」
「すみれ!あおい!」
両親へかけ寄る姉妹は、久々に一家が揃ったことを泣いて喜んだ。
「まったく!心配かけて…!」
「ごめんね、お父さん、お母さん…」
「小鳥遊さん!ここまでありがとうございます!」
「…いえ…」
海崎家の家長である父親から目を逸らすと、社長室の扉をノックした。
その様子に、あおいは息をのむ。
あれほど来てほしくなかった瞬間が、和真の手によって迎えるからだ。
ドアが開くと田中が顔を出す。
「皆さん、どうぞ中へ」
和真が海崎家に伝えると、先に中へ入った。
あおいの父親を筆頭に、一同が中に入る。
目の前には長机と、大きな背もたれのついた椅子が人数分用意されていた。
ただし、すでに一人、小鳥遊社長がすでに座っている。
「社長…!」
田中の案内を受けて、海崎家が順に座った。
あおいが座る頃、まだ立ったままの和真が頭を下げる。
「この度は、小鳥遊が海崎すみれさんに大変失礼な行いをしたこと、申し訳ございませんでした」
「はぇ!?え!?ちょ、たっ、小鳥遊さん!頭を上げてください!!」
「大切なご息女への非礼、父に代わってお詫びします」
ガタッと立ち上がるあおいの父親は、あたふたしながら和真と社長を交互に見る。
あおいも驚いたまま、不安そうに頭を下げ続ける和真を見た。
「頭ひとつ下げて終わりなんですか?」
「す!すみれ!?何を言って…!!」
「私、本当ならみんなに笑ってもらってからフランスに行きたかった。よくも台無しにしてくれましたね、小鳥遊さん。あの時、サービスにデザートなんて出すんじゃなかった…」
小鳥遊社長を見ることなく、噛み締めるように言葉を放つすみれ。
当の社長も何食わぬ顔でいる。
「あの…一体何が…?」
海崎家の視線が和真とすみれに向かうと、すみれが話してくれた。