義兄と結婚生活を始めます
「お客様にも、何より同僚にも気配りの絶えない海崎さんに、私たちはぜひとも二号店をお願いしたいと考えているんですよ」
最後のオーナーで、泣き崩れるすみれは、拭ってもあふれてくる涙を浮かべたまま笑顔を見せた。
「私でよろしければ、ぜひ!行かせてください!」
「あぁ!」
「よろしくお願いいたします」
「それじゃあ、詳しい話に入りますね。出向日の予定は…ー」
涙も乾かない内に、オーナーからまとまった書類を渡され、説明を受けた。
その日の帰り道、すみれは嬉しさから、何度も口元を緩ませながら帰宅した。
帰り着いた頃は、夜更けに近かったため、あおいたち家族は眠っていた。
「…あおいの受験が終わったら伝えよっと」
すみれも就寝の準備をしてベッドに向かう。
途中、あおいの部屋のドアを開けて様子を見ると、気持ちの良い寝息を聞いて、微笑んだ。
そっとドアを閉めると、自分の部屋へ行き、ベッドに横になった。
改めて書類を取って見ると、嬉しさから足をばたつかせた。
「フランスかぁ~…日本人のスタッフも何人かいるって言ってたから、何とかなるとして…不安もあるけど、やっぱり嬉しい!!…お父さんもお母さんもあおいも、喜んでくれるかな…」
枕元に書類を置けば、急な眠気がやって来る。
三人の笑顔を思い浮かべながら、すみれは眠りについた。
それからしばらく経ち、あおいの合格発表当日、すみれは変わらずレストランで忙しなく働いていた。
何度も時計をチラチラ見ては、あおいの合否を気にする。
「海崎さん、ちょっと…」
厨房のドアから不安そうな顔で入って来る支配人が、すみれを名指しした。
その表情からクレームが入ったのか、出向の件で何か問題があったのかと考えを巡らせながら、支配人の元へ。
「はい。お客様から何か?」
「え、えぇ…それはそうなんですが…その、小鳥遊社長が貴女を指名してきまして…何かありましたか?」
「え?……あ!先日、お疲れの様子だったので、デザートをサービスさせていただきました」
「そうでしたか…クレームではないとは思いますが…とにかく、向かわれてください」
支配人に促されるまま、足早にVIP席のへ向かったすみれ。
すみれの姿を見た瞬間に、社長の表情が緩んだ。
「おぉ!海崎くん!すまないね、忙しいところ」
「とんでもありません。お待たせしてしまい、申し訳ございません。私をご指名だと伺いましたが…」
「海崎様、一旦かけられてください」
社長の向いの席の椅子を引いて待機する田中に、すみれは驚き、断ろうとした。
最後のオーナーで、泣き崩れるすみれは、拭ってもあふれてくる涙を浮かべたまま笑顔を見せた。
「私でよろしければ、ぜひ!行かせてください!」
「あぁ!」
「よろしくお願いいたします」
「それじゃあ、詳しい話に入りますね。出向日の予定は…ー」
涙も乾かない内に、オーナーからまとまった書類を渡され、説明を受けた。
その日の帰り道、すみれは嬉しさから、何度も口元を緩ませながら帰宅した。
帰り着いた頃は、夜更けに近かったため、あおいたち家族は眠っていた。
「…あおいの受験が終わったら伝えよっと」
すみれも就寝の準備をしてベッドに向かう。
途中、あおいの部屋のドアを開けて様子を見ると、気持ちの良い寝息を聞いて、微笑んだ。
そっとドアを閉めると、自分の部屋へ行き、ベッドに横になった。
改めて書類を取って見ると、嬉しさから足をばたつかせた。
「フランスかぁ~…日本人のスタッフも何人かいるって言ってたから、何とかなるとして…不安もあるけど、やっぱり嬉しい!!…お父さんもお母さんもあおいも、喜んでくれるかな…」
枕元に書類を置けば、急な眠気がやって来る。
三人の笑顔を思い浮かべながら、すみれは眠りについた。
それからしばらく経ち、あおいの合格発表当日、すみれは変わらずレストランで忙しなく働いていた。
何度も時計をチラチラ見ては、あおいの合否を気にする。
「海崎さん、ちょっと…」
厨房のドアから不安そうな顔で入って来る支配人が、すみれを名指しした。
その表情からクレームが入ったのか、出向の件で何か問題があったのかと考えを巡らせながら、支配人の元へ。
「はい。お客様から何か?」
「え、えぇ…それはそうなんですが…その、小鳥遊社長が貴女を指名してきまして…何かありましたか?」
「え?……あ!先日、お疲れの様子だったので、デザートをサービスさせていただきました」
「そうでしたか…クレームではないとは思いますが…とにかく、向かわれてください」
支配人に促されるまま、足早にVIP席のへ向かったすみれ。
すみれの姿を見た瞬間に、社長の表情が緩んだ。
「おぉ!海崎くん!すまないね、忙しいところ」
「とんでもありません。お待たせしてしまい、申し訳ございません。私をご指名だと伺いましたが…」
「海崎様、一旦かけられてください」
社長の向いの席の椅子を引いて待機する田中に、すみれは驚き、断ろうとした。