義兄と結婚生活を始めます
あおいの後ろから田中らしき人の声が聞こえてくると、急に体が持ち上げられた。
「!?」
「失礼します。少し走りますね」
「え!?」
あおいを抱き上げると、非常階段の方へ向かい、急いで駆け下りていく。
数階駆け下りるうちに、和真の息が上がるのがわかれば、あおいの顔も赤くなった。
「はぁ…っ…」
「か、和真さんっ、私走れます…!」
「…急ぐので、危ないですからこのままで…っ」
和真の言葉に大人しくなるあおいは、階を降りるごとに、胸の高鳴りが大きくなるのを感じた。
そして、和真が見慣れたロビーを見かけると、あおいを下ろし、手を引いてエレベーターへ向かった。
行き交う職員たちからの、挨拶とも呼べない声掛けを初めて無視して、閉まりかけたエレベーターへ急ぐ。
「乗ります…!」
「は、はい!!」
乗っていた職員が慌てて『開く』ボタンを押した。
ニ、三人乗っていたエレベーターの中心に、息切れする和真と明望学園の制服を着たあおいが立つのは、特に視線を集めた。
しばらくして、エレベーターが一階につくと、扉が開く。
「んで…あ?和真」
「失礼、急いでます」
「ちょ、和真!…あおい、さん…!?」
驚く涼介と由梨子の言葉にすら答えることなく、和真たちは外へ出た。
和真がロータリーを見渡していると、手を振る三森の姿を見つけて、かけていく。
「こちらキーでございます」
「後ほど、連絡することを海崎さんにお伝えしてください」
「かしこまりました」
「あおいさん、乗ってください」
自前の車と一緒に待たせていたようで、三森からキーを受け取ると、すぐに助手席のドアを開けた。
戸惑いつつも、周りを気にする和真を見て、言われるまま乗った。
あおいが乗った後、和真も運転席に乗り込むと、すぐに車を発車させる。
「このまま家に帰りますね」
「あの…!話し合いをしないと…!」
「勉強を教える約束がありますので。テストも近いですし、時間は有限ですよ」
「そ、そういうことでは…」
運転中の和真の邪魔をするわけにもいかないと思ったのか、あおいはそれ以上何も言わなかった。
置いてきた家族のことを考えながらも、ドキドキする気持ちを必死に抑えようとした。
片手でネクタイを緩める和真に、視線だけ向ければ、首元が汗ばんでいるのに気づく。
人目も気にせず、涼介たちの言葉すら聞こうとせずに、自分を運んでくれた和真。
(…和真さんの問題って…なに…?)
黙って運転を続ける和真の考えもわからないあおいは、今はただただ、流れていく景色を見つめ続けた。
「!?」
「失礼します。少し走りますね」
「え!?」
あおいを抱き上げると、非常階段の方へ向かい、急いで駆け下りていく。
数階駆け下りるうちに、和真の息が上がるのがわかれば、あおいの顔も赤くなった。
「はぁ…っ…」
「か、和真さんっ、私走れます…!」
「…急ぐので、危ないですからこのままで…っ」
和真の言葉に大人しくなるあおいは、階を降りるごとに、胸の高鳴りが大きくなるのを感じた。
そして、和真が見慣れたロビーを見かけると、あおいを下ろし、手を引いてエレベーターへ向かった。
行き交う職員たちからの、挨拶とも呼べない声掛けを初めて無視して、閉まりかけたエレベーターへ急ぐ。
「乗ります…!」
「は、はい!!」
乗っていた職員が慌てて『開く』ボタンを押した。
ニ、三人乗っていたエレベーターの中心に、息切れする和真と明望学園の制服を着たあおいが立つのは、特に視線を集めた。
しばらくして、エレベーターが一階につくと、扉が開く。
「んで…あ?和真」
「失礼、急いでます」
「ちょ、和真!…あおい、さん…!?」
驚く涼介と由梨子の言葉にすら答えることなく、和真たちは外へ出た。
和真がロータリーを見渡していると、手を振る三森の姿を見つけて、かけていく。
「こちらキーでございます」
「後ほど、連絡することを海崎さんにお伝えしてください」
「かしこまりました」
「あおいさん、乗ってください」
自前の車と一緒に待たせていたようで、三森からキーを受け取ると、すぐに助手席のドアを開けた。
戸惑いつつも、周りを気にする和真を見て、言われるまま乗った。
あおいが乗った後、和真も運転席に乗り込むと、すぐに車を発車させる。
「このまま家に帰りますね」
「あの…!話し合いをしないと…!」
「勉強を教える約束がありますので。テストも近いですし、時間は有限ですよ」
「そ、そういうことでは…」
運転中の和真の邪魔をするわけにもいかないと思ったのか、あおいはそれ以上何も言わなかった。
置いてきた家族のことを考えながらも、ドキドキする気持ちを必死に抑えようとした。
片手でネクタイを緩める和真に、視線だけ向ければ、首元が汗ばんでいるのに気づく。
人目も気にせず、涼介たちの言葉すら聞こうとせずに、自分を運んでくれた和真。
(…和真さんの問題って…なに…?)
黙って運転を続ける和真の考えもわからないあおいは、今はただただ、流れていく景色を見つめ続けた。