義兄と結婚生活を始めます
それから、日も傾き始めた夕方ごろに、あおいは帰宅する。
ガサガサと袋の音を響かせて、家に入ったあおい。
一旦、玄関に置いて一休みした。
「は~~…買い物ってこんなに大変なんだな~…」
母親の大変さがわかってきたあおいは、立ち上がると荷物を持ってキッチンへ運ぶ。
手を洗ってから、さっそく買ってきた食材を取り出して、夕食の準備を始めた。
しばらくして、仕上がりの味を確認するあおい。
「ん、良い感じ……だよね?」
味見をした後から、大きな不安を抱え始めてしまう。
コンロの電源を落とすと、様々な思いが頭の中を過った。
(小鳥遊さんが苦手だったらどうしよう…もし、美味しくないって思われたら…いや、もしかしたら作ったことが迷惑だったら…)
モンモンと考えが続くあおいは、ひとまず洗い物を始めて気を紛らわせようとする。
ふと、時計を見るともう20時になろうとしていた。
和真の帰りが気になりつつ、鍋をチラリと見る。
洗い物を終えても、和真が帰ってくる気配はないため、ササッとシャワーを済ませた。
もうすぐ20時半…。
(…連絡…してみようかな…)
迷っていると、玄関から聞こえてくる物音に体が跳ねる。
和真の帰宅だと感じて、すぐに玄関へ向かった。
あおいが玄関につくときには、すでに入っていた和真。
「お、お帰りなさい…」
「…まだ起きていたんですか」
和真の顔を見た途端に、体が緊張してしまっているあおいだが、引きつる笑顔で出迎える。
施錠を済ませた和真は、帰宅の言葉も言わずに、あおいをじっと見た。
返事に戸惑うあおいに、和真は手を伸ばす。
「髪、きちんと拭かないと、風邪を引きますよ」
肩にかけていたタオルを掴み、あおいの頭を拭いた。
突然のことに顔が一気に赤くなるあおい。
「上がったばかりですか?すごく濡れて……すみません」
一切喋らずに、体を強張らせているあおいに気づくと、和真はタオルから手を離す。
お互いに気まずさと恥ずかしさを抱えていたが、和真がリビングの方へ視線を向けた。
「何か作ったんですか?」
「あ…えっと、お夕飯を…その…ハヤシライスを作りました…」
自信がなさそうに答えるあおいは、慌てて言葉を続ける。
「あの!勝手に作ってごめんなさい!無理に食べなくても大丈夫です!いらなければ私が食べます!!」
「お腹が空いているので、食べたいです」
丁度良く和真のお腹からグゥっと音が鳴り、空腹を証明してくれた。
和真の返事に、少しホッとするあおい。
「先に着替えてきます」
「はい。それじゃあ、温めますね」
二人はそれぞれの行動を開始する。
コンロの電源を入れて、ハヤシライスが入った鍋を見つめるあおいの顔は、今もなお熱を帯びていた。
ガサガサと袋の音を響かせて、家に入ったあおい。
一旦、玄関に置いて一休みした。
「は~~…買い物ってこんなに大変なんだな~…」
母親の大変さがわかってきたあおいは、立ち上がると荷物を持ってキッチンへ運ぶ。
手を洗ってから、さっそく買ってきた食材を取り出して、夕食の準備を始めた。
しばらくして、仕上がりの味を確認するあおい。
「ん、良い感じ……だよね?」
味見をした後から、大きな不安を抱え始めてしまう。
コンロの電源を落とすと、様々な思いが頭の中を過った。
(小鳥遊さんが苦手だったらどうしよう…もし、美味しくないって思われたら…いや、もしかしたら作ったことが迷惑だったら…)
モンモンと考えが続くあおいは、ひとまず洗い物を始めて気を紛らわせようとする。
ふと、時計を見るともう20時になろうとしていた。
和真の帰りが気になりつつ、鍋をチラリと見る。
洗い物を終えても、和真が帰ってくる気配はないため、ササッとシャワーを済ませた。
もうすぐ20時半…。
(…連絡…してみようかな…)
迷っていると、玄関から聞こえてくる物音に体が跳ねる。
和真の帰宅だと感じて、すぐに玄関へ向かった。
あおいが玄関につくときには、すでに入っていた和真。
「お、お帰りなさい…」
「…まだ起きていたんですか」
和真の顔を見た途端に、体が緊張してしまっているあおいだが、引きつる笑顔で出迎える。
施錠を済ませた和真は、帰宅の言葉も言わずに、あおいをじっと見た。
返事に戸惑うあおいに、和真は手を伸ばす。
「髪、きちんと拭かないと、風邪を引きますよ」
肩にかけていたタオルを掴み、あおいの頭を拭いた。
突然のことに顔が一気に赤くなるあおい。
「上がったばかりですか?すごく濡れて……すみません」
一切喋らずに、体を強張らせているあおいに気づくと、和真はタオルから手を離す。
お互いに気まずさと恥ずかしさを抱えていたが、和真がリビングの方へ視線を向けた。
「何か作ったんですか?」
「あ…えっと、お夕飯を…その…ハヤシライスを作りました…」
自信がなさそうに答えるあおいは、慌てて言葉を続ける。
「あの!勝手に作ってごめんなさい!無理に食べなくても大丈夫です!いらなければ私が食べます!!」
「お腹が空いているので、食べたいです」
丁度良く和真のお腹からグゥっと音が鳴り、空腹を証明してくれた。
和真の返事に、少しホッとするあおい。
「先に着替えてきます」
「はい。それじゃあ、温めますね」
二人はそれぞれの行動を開始する。
コンロの電源を入れて、ハヤシライスが入った鍋を見つめるあおいの顔は、今もなお熱を帯びていた。