義兄と結婚生活を始めます
一方、あおいの父親と和真は、あおいが出て行ったあともしばらくはそのままだった。
耐えきれなくなった父は、口を開く。
「……小鳥遊さん…そろそろ頭を上げてください…」
言われるまま顔を上げると、真剣な表情で父親をじっと見る和真。
ゴホン、と一度の咳で空気を変える父が切り出した。
「その、あおいはまだ学生で…」
「はい。待ちます」
「…正直、小鳥遊さんとは仕事関係のままで終わらせたい、というのが私の気持ちで…」
「信用できない、というのはよく理解しています。ただ、僕はあおいさんしかいないと思っています」
和真は、少し視線を落とすと、先ほど座っていたあおいの座布団を見つめた。
「…小鳥遊では、幼少期から徹底した英才教育がされてきました。母が亡くなってからは、社長…父は業界の会食に、僕をよく同行させました。“社会見学"と称して。ただ…」
視線を上げると、またあおいの父と視線を交わす。
「ただ、そこにいたのは小鳥遊の跡取りというモノを見る人間しかいませんでした。さらには、自分にとっての利益であるか否か…そう父に言われましたが、本当にそのとおりかもしれない…と、思うようになりました。表情一つで周囲の反応が変わるので。でも、それは僕が小鳥遊の跡取りだからなんです」
「……」
「…あおいさんは…違います。確かに、最初は小鳥遊の規模も知らない子どもだと思っていました。この子も同じだと…違いました。あおいさんはただの僕を…ただの小鳥遊和真を見てくれる人だと気づいたんです」
和真は再度、床に手を付いて頭を下げる。
「あおいさんのいない人生は考えられません。大切です。幸せにしたい人だと、心から思っています。どうか、あおいさんの人生と一緒に、歩かせてください」
「……ダメです…」
「…っ…至らないとこ、ろ…は……」
顔を上げると涙ぐむあおいの父親が、力なく笑っていた。
「小鳥遊……和真くんも一緒に幸せにならないと許可は出せません」
「…僕も…あおいさんと一緒に、幸せになります…」
「娘を…あおいをよろしくお願いします…!」
父親は和真の元へ行き、膝をつくとポンっと肩を叩いた。
和真にとって、肩を叩かれることは何度も経験してきたが、こんなにも温かいと感じたことはない。
口元が緩む和真は、自然と笑みを返していた。
耐えきれなくなった父は、口を開く。
「……小鳥遊さん…そろそろ頭を上げてください…」
言われるまま顔を上げると、真剣な表情で父親をじっと見る和真。
ゴホン、と一度の咳で空気を変える父が切り出した。
「その、あおいはまだ学生で…」
「はい。待ちます」
「…正直、小鳥遊さんとは仕事関係のままで終わらせたい、というのが私の気持ちで…」
「信用できない、というのはよく理解しています。ただ、僕はあおいさんしかいないと思っています」
和真は、少し視線を落とすと、先ほど座っていたあおいの座布団を見つめた。
「…小鳥遊では、幼少期から徹底した英才教育がされてきました。母が亡くなってからは、社長…父は業界の会食に、僕をよく同行させました。“社会見学"と称して。ただ…」
視線を上げると、またあおいの父と視線を交わす。
「ただ、そこにいたのは小鳥遊の跡取りというモノを見る人間しかいませんでした。さらには、自分にとっての利益であるか否か…そう父に言われましたが、本当にそのとおりかもしれない…と、思うようになりました。表情一つで周囲の反応が変わるので。でも、それは僕が小鳥遊の跡取りだからなんです」
「……」
「…あおいさんは…違います。確かに、最初は小鳥遊の規模も知らない子どもだと思っていました。この子も同じだと…違いました。あおいさんはただの僕を…ただの小鳥遊和真を見てくれる人だと気づいたんです」
和真は再度、床に手を付いて頭を下げる。
「あおいさんのいない人生は考えられません。大切です。幸せにしたい人だと、心から思っています。どうか、あおいさんの人生と一緒に、歩かせてください」
「……ダメです…」
「…っ…至らないとこ、ろ…は……」
顔を上げると涙ぐむあおいの父親が、力なく笑っていた。
「小鳥遊……和真くんも一緒に幸せにならないと許可は出せません」
「…僕も…あおいさんと一緒に、幸せになります…」
「娘を…あおいをよろしくお願いします…!」
父親は和真の元へ行き、膝をつくとポンっと肩を叩いた。
和真にとって、肩を叩かれることは何度も経験してきたが、こんなにも温かいと感じたことはない。
口元が緩む和真は、自然と笑みを返していた。