義兄と結婚生活を始めます
帰宅したあおいは、テスト終了の解放感から、機嫌よく献立を考えていた。


「は〜!終わったもんね〜あとは夏休みを待つぞ〜!」


冷蔵庫を開けて、食材を取り出しいく。
母親のように、鼻歌を歌いながら、リズムよく食材を切った。

数品の夕食と常備色を作り終えた頃、玄関から物音が聞こえた。
パッと表情が明るくなると、すぐに鍋の火を止めて、パタパタと向かう。


「おかえりなさいっ」

「ただいま。こちら、お土産です」

「わっ、ケーキ」

「お姉さんのには負けますが、試験お疲れ様でした」

「ありがとうございます!」


笑顔を見せるあおいに、笑みを返す和真は一緒にリビングへ向かった。
ケーキの箱を冷蔵庫に入れると、あおいはもう一度、鍋に火をつける。

片手でネクタイを緩めながら、あおいの横にやって来る和真。


「あとはおみそ汁だけなので、お手伝いは大丈夫ですよ?」

「……いえ、少し…」


小首を傾げて見上げてきたあおいの視線をすり抜け、後ろからあおいを両手で包み込んだ。
急な和真の行動に、あおいは真っ赤になって固まる。


「…明日が楽しみですね」

「はいっ…!」

「……頑張って仕事を片付けました」

「えっ、あ、はい」

「明日は完全にオフです。連絡してこないようお願いしました」


次々に今日のしてきたことを伝える和真は、あおいの頭に頬を乗せた。


(…これは……甘えてる、のかな…?)


クスッと笑ったあおいは、和真の手に触れる。


「えっと、ありがとうございます。頑張りました、ね?」

「…はい…頑張りました」


和真は、頬をスリっと寄せた後、名残惜しそうにあおいから離れた。
そして、自室へ着替えに戻り、夕食をとった。


「今日はココアが飲みたいです」

「暑くなってきてますし、アイスにしましょうか」

「…アイス…」


お風呂から上がってきた和真は、悩んだ。
あおいは片付けを終え、ココアを作る準備を始める。


「和真さん…?」

「…アイスはまた…夏にとっておきます。ホットでお願いします」

「はい…」


含んだような笑みを見せる和真に、答えてホットココアを作った。
冷蔵庫からケーキを出してお皿に乗せ、リビングのソファーで待つ和真の元へ。


「ありがとうございます」


あおいからココアを受け取ると、さっそく飲み始める和真。
隣に座るあおいもひと口飲んで、ケーキの皿を持つ。
いちごのショートケーキをじっと見つめた。


「どうしました?」

「あ、いえ!いっつもいちごを最初にすべきか、最後までとっておこうか迷うんですよねぇ…」


あおいの悩みに、思わず吹き出してしまった。
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