義兄と結婚生活を始めます
屋外に出ると、潮風と一緒に生き物のニオイがしてくる。
どこかソワソワし始める和真に、あおいは少しだけニヤけた。
「もうすぐですよ、和真さん」
「そうですね…」
和真の手を引いて、先を歩こうとしたあおいは、前の人とぶつかりそうになる。
慌ててあおいの体ごと自分の方へ引く。
「…ぶつかります。気をつけましょう…」
「は、はい…」
一度人混みの列から外れると、木陰に移動した。
「あはは…ごめんなさい…ちゃんと前、見ないとですね…」
「それだけ楽しんでくれているので、僕は嬉しいですよ。飲み物、買ってきます」
少しシュンとするあおいの頭をポンポンと撫で、和真は近くの自販機へ向かった。
(ほんとに浮かれすぎだ…気をつけよ…)
不意に前髪を整える仕草に、気持ちを重ねてしまう。
遠目から、自販機で飲み物を選んでいる和真を眺めた。
(……自販機と和真さんって…なんか面白いな…)
そんなことを考えていると、和真の近くに女子グループが近づいていった。
(え…!?)
声をかけられる和真が振り返ると、数人の女性が上目遣いで自分を見上げてきていた。
「あの〜良かったら、一緒に周りません?お友達とかいたら…その人たちも…」
「やっば!言った!」
「いいですかぁ?」
「……いえ、あの…」
いつもの無表情に戻り、断りを入れようとすると、腕をグイッと引かれた。
顔の赤いあおいが、俯き気味に腕を引いていた。
「あお」
「わ…私のなので!!」
そのまま和真を引っ張って、先ほどいた木陰に戻っていく。
取り残された女子グループは、呆然とその様子を見送った。
腕を強めに引かれる和真は、耳の赤いあおいを見つめる。
「…間違えました…」
「え?」
「私といるので…って言いたかったんですけど…その…テンパっちゃって…!物みたいに言っちゃってごめんなさい…」
「ふっ…!」
吹き出してしまった和真は、お腹を抱えて静かに笑う。
笑われていることはわかったあおいは、少しムッとした表情になった。
「そそ、そ、そんなに笑わなくても…!!」
「いえ…すみませ…ふっ、カッコよかったですよ」
「絶対、思ってないです…!」
揶揄われていると感じるあおいは、涙目になってそっぽを向いた。
ようやく笑いが止まった和真だが、背を向けるあおいの耳元に顔を近づける。
「…僕はあおいさんのですよ」
そっと囁くと、ポンポンと頭を撫でて、冷たいオレンジジュースの缶を渡した。
あおいは、黙って受け取ると、和真へ振り返った。
どこかソワソワし始める和真に、あおいは少しだけニヤけた。
「もうすぐですよ、和真さん」
「そうですね…」
和真の手を引いて、先を歩こうとしたあおいは、前の人とぶつかりそうになる。
慌ててあおいの体ごと自分の方へ引く。
「…ぶつかります。気をつけましょう…」
「は、はい…」
一度人混みの列から外れると、木陰に移動した。
「あはは…ごめんなさい…ちゃんと前、見ないとですね…」
「それだけ楽しんでくれているので、僕は嬉しいですよ。飲み物、買ってきます」
少しシュンとするあおいの頭をポンポンと撫で、和真は近くの自販機へ向かった。
(ほんとに浮かれすぎだ…気をつけよ…)
不意に前髪を整える仕草に、気持ちを重ねてしまう。
遠目から、自販機で飲み物を選んでいる和真を眺めた。
(……自販機と和真さんって…なんか面白いな…)
そんなことを考えていると、和真の近くに女子グループが近づいていった。
(え…!?)
声をかけられる和真が振り返ると、数人の女性が上目遣いで自分を見上げてきていた。
「あの〜良かったら、一緒に周りません?お友達とかいたら…その人たちも…」
「やっば!言った!」
「いいですかぁ?」
「……いえ、あの…」
いつもの無表情に戻り、断りを入れようとすると、腕をグイッと引かれた。
顔の赤いあおいが、俯き気味に腕を引いていた。
「あお」
「わ…私のなので!!」
そのまま和真を引っ張って、先ほどいた木陰に戻っていく。
取り残された女子グループは、呆然とその様子を見送った。
腕を強めに引かれる和真は、耳の赤いあおいを見つめる。
「…間違えました…」
「え?」
「私といるので…って言いたかったんですけど…その…テンパっちゃって…!物みたいに言っちゃってごめんなさい…」
「ふっ…!」
吹き出してしまった和真は、お腹を抱えて静かに笑う。
笑われていることはわかったあおいは、少しムッとした表情になった。
「そそ、そ、そんなに笑わなくても…!!」
「いえ…すみませ…ふっ、カッコよかったですよ」
「絶対、思ってないです…!」
揶揄われていると感じるあおいは、涙目になってそっぽを向いた。
ようやく笑いが止まった和真だが、背を向けるあおいの耳元に顔を近づける。
「…僕はあおいさんのですよ」
そっと囁くと、ポンポンと頭を撫でて、冷たいオレンジジュースの缶を渡した。
あおいは、黙って受け取ると、和真へ振り返った。