義兄と結婚生活を始めます

(今日の和真さん…ずるい…!!)


少し拗ね気味のあおいを連れて、ペンギンエリアを出ると、館内に戻った。
ようやくあおいの表情も明るくなる頃には、水族館の出口と、お土産ショップにやってきた。


「何か見ていきますか?」

「は、はい…」


ショップ内へ入ると、ひとつひとつ、気になった売り物を見て周る。
イルカのキーホルダーや、ペンギンのぬいぐるみ、アシカの置物など、見るごとに笑みが増えた。


「これ、涼介さんたちにいいんじゃないですか?お母さんがよく、お父さんに職場に持って行ってって渡してますし」

「……なるほど」


お土産用の菓子類を指すと、和真は口に手を添えて考える。
和真とあおいは、各々が渡す人たちへの菓子箱を選んだ。


「女性社員もいますし、クッキーの方がいいでしょうか?」

「その方がいいかもです。これ可愛いですよ、ペンギンの絵」

「これにします。ご両親の分はこちらでいいでしょうか?」

「えっ……ありがとうございます!きっと喜びます!」


少し考え込んでいた和真の様子を思うと、あおいは笑顔を返した。
会計を済ませると、出口の前で立ち止まる。


「…すみません。あおいさんへのお土産を忘れていました…もう一度、選びましょう」

「いえ!あのっ…また、次に来た時に選びます」

「…はい」


照れ笑いになるあおいを見て、踏み出した足を留める和真。
手を繋いで一緒に出口から出ると、駐車場へ向かった。


帰りの車の中から見える外は、薄暗くなり始めていた。
後ろの座席いっぱいに乗せたお土産と共に、あおいはニコニコと満足そうに笑っていた。


グゥ〜…キュルルル……


「すみません。お昼を忘れていましたね」

「楽しすぎましたもん!お腹ぺこぺこです…」

「食べて帰りましょうか」

「えっ」


ちょうど赤信号で車を止めると、あおいへ視線を送る。


「あおいさん…」

「し、下ごしらえはしてあるので…!楽しいがいっぱいで、ちょっとしか疲れてません!…家で食べたい…です」

「…わかりました」


あおいがチラリと目線だけを向けてくるため、和真は何も言えなくなった。
信号が青になる前に、あおいの手を握った。


「今日は楽しかったです。とても」

「はい!」

「好きですよ」

「は……い…」


パッと手を離すと同時に、信号が青へと切り替わる。
あおいの顔は、反対の色に染まった。

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