義兄と結婚生活を始めます
「さ!和真、ランチに行きましょ!あ、資料データはファイルに入れてあるわ。確認が終わったらすぐにコピーするわね」

「……ありがとうございます」


次の指示すら察する由梨子の優秀さは、さすがの和真も認めているようだ。
鞄を肩にかけた由梨子と、書類をまとめ終えた和真の元へ、涼介がやってきた。


「今日、俺は肉の気分です!」

「…だいたい肉でしょう」

「ふふ、相変わらずね。でも!そういうと思って、おすすめのステーキ店を見つけてあるわ」


和真も立ち上がり、三人で休憩に入った。


「それにしても、三人揃うと大学時代思い出すな~」

「そうね。和真は今も変わらないけど」


自社を出て少し歩いていると、すぐに目的の場所に着いた。


「え!?めっちゃ近くない?」

「意外でしょ?私も最初は驚いたの」


クスクスと笑いながら店内へ入っていくと、すぐにテーブル席へ案内される。
由梨子と涼介が先に対面で座ったため、ほんの少し考えたあと、和真は由梨子の隣に座った。

それが嬉しかったのか、由梨子は嬉しそうにメニュー表を広げた。


「ここのお肉、すごくジューシーだし、ボリューム満点なの。和真はパスタにする?」

「コーヒーとサラダで」

「俺、迷うな~…ランチのBにしよ」


由梨子は、注文用の端末で二人が言っていたメニューを注文した。
手拭きで手を拭いていると、対面する和真は涼介に視線を送る。


「涼介くんは、和真の奥さんともう会ったの?」

「え!?え、あ、うん…この前会ったよ…」


先手を打たれた涼介は焦りつつも、笑って答えた。
ちょうど、和真の分のコーヒーとサラダが届く。


「実はね、私も少し前に会ったのよ。ちょうど帰国したときに、ね、和真?」

「……あ」


コーヒーカップを手に持ち、思い出した。
あおいと水族館デートをした日のことを指していると。


「そう…でしたね…」

「ね、あおいさん?だったかしら、とっても可愛い子よね」

「はい」


コーヒーを飲みながら返事をすれば、再度じろりと涼介を見る。


「ゆ、由梨子ちゃんも会ってたの意外だな。そうだ、海外はどうだった?同じ出向組だけど、海外じゃ働き方とかいろいろ違ったんじゃない?」

「そうでもないわ。それよりも、あおいさんが奥さんなら明望学園に通ってるはずよ。私たちの後輩なのよ?」

「…そう、なの…?」

「和真の奥さんが女子高校生ってびっくりじゃない?あの和真が、よ?」


にっこりと笑う由梨子は、まるで獲物をじわじわと追い詰めるようだった。
しかし、涼介も笑顔で返した。


「別に意外じゃないよ。俺は小鳥遊の人間じゃないし、和真や社長さんの考えはわかんないけど、和真たちが納得してるならいいんじゃない?」

「…っ、でも、いい大人が女子高生を妻にしてるのよ?涼介くんからも何か」

「由梨子」

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