真白に包まれて眠りたい
50.時間が解決する

 時間が解決する、とはよく言ったものだ。悲しみの最中にいる時は、そんなものは慰めにもならないし、とても信じられないけれど、幸運なことに、また悲しいことに、我々人間というのはどうにも忘れっぽい。
 半年以上経った。一人、部屋で泣いたのを覚えている。正月休みが明けた頃だった。あれほどに、涙が止まらず声を出して泣いたのは、小学生以来かもしれない。もう涙は出ない。感じるのは懐かしさのみ。楽しかった思い出ばかりこびりついて洗い流せず、懐かしさに変わって居座り続ける。ようやく、彼を思い出しても黄色い気持ちでいられるようになった。
 このエッセイを綴るのは約半年ぶりだ。感情が動かなければ、言葉など紡げないのだ。でも、やっぱり私は自著を残したかった。冬が近づいてきたことも理由かもしれない。
 また、とりとめのないことを書いていく。そんなつまらないものが私の人生だと思っている。悲観ではない。儚くて美しいと思っている。
 白でいい。グレーでもいい。なんだっていい。
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