イケメン御曹司は恋に不慣れ

「そうなんですか。オーナーにキッチンに行くように言われて来たんですけど」
「浩介が、か?」
「え、えぇ…そうです」
「ふうん。まあ、少し休んでいいってことだろうよ。初めてで疲れただろう。ここに座りなよ」
ここのカポクオーコのアンドレアさんは笑顔でホールの方を眺めながら私に椅子をすすめてくれた。
しばらくするとお客様は帰っていき、スタッフは片付けに追われていた。

「今日はお疲れさまでした。新郎新婦の二人も楽しい時間が過ごせたと満足され無事に帰られましたので、これで終了です」
祐二さんから終了の挨拶があり、皆が拍手で今日の成功を祝っているようだった。
私もパチパチと手を叩いていると、祐二さんの横に並んでいるオーナーとなぜか目が合った。

「今日はお疲れさまでした。日々の営業とは異なり忙しかったと思いますが、皆さんのお陰で無事に終われました。今回のことで何か気づいたことがあればお知らせいただき、反省できるところは次に活かしていきましょう。ありがとうございました」
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