イケメン御曹司は恋に不慣れ

気になる

私は正社員となって今まで以上に頑張ろうと張り切っていた。

「昨日はパーティーお疲れさまでした。今日も予約のお客様でいっぱいです。浩介さんは数日来られませんから、私が全体の統括に回りますのでよろしくお願いします」
祐二さんの挨拶で数日オーナーが来ないことを知った。
昨日のことをちゃんとお礼したいと考えていた私は拍子抜けした気分だった。

「芹菜さん、オーナーって、あっ、浩介さんってしばらく出勤されないんですか？」
「そうみたいね。あの人他にもいくつか飲食店の経営をしてるし、コンサルティングみたいな仕事もしているし、もともと毎日ここには来ていなかったのよ」
「そうなんですか…まだ若いのに凄いんですね」

「なになに、ひまりちゃん。浩介さんのこと気になるの？もしかして、昨日、助けてもらってたりしたから惚れちゃったりした？」
「そ、そんなことないです。ただ、昨日のこときちんとお礼してなかったなって思って」
「なんだ…。オーナーなんだから従業員が困っていたら助けるのは当然なんだし、お礼なんてしなくても大丈夫だと思うよ」
「そう…ですよね」