イケメン御曹司は恋に不慣れ
「ねえ、君」
呆然としている私は言葉がうまく出てこなくて、二人の間にしばらく沈黙が流れていた。
その男性はいままでの職場で見かけていた男の人たちとは違い、少し長めの髪を後ろで結いていた。それにちょっと鋭い目つきをしているけれどすごく整った顔立ちをしている。見上げるほどの身長に服を着ていてもわかる引き締まった体型はモデルのようだった。
すごくかっこいい人、それが私の第一印象だった。
そんな人にジッと見られて私の胸がドクンと高鳴ったところで、再び彼が口を開いた。
「あのさ、ナンパされて困るようなら、もっと目立たない場所にいるんだな」
怒っているような厳しい口調で話しかけられてるのに、不思議なことにその声は胸に染みていき思考が停止した。