【短編】メルティングギフト
「最終的にはどうやって決めたんですか?」

「それがね、こっそり俺のことを観察して、欲しそうな物を探ったんだって。当時はまだ付き合う前だったんだけど、毎週のように一緒に帰ろうって誘われてたなぁ」



目を細めて懐かしむ先生。記憶力の高さに改めて愛の強さを思い知る。


最初は先生のベタ惚れで付き合ったのかなと思ってたけど、案外彼女さんも同じだったりして。

彼氏でもない後輩のために長い時間かけて探すって、好きじゃなかったら普通しようと思わないもん。



「じゃあまたね。おやすみ」

「はい。今日もありがとうございました。おやすみなさい」



テストが終わるまでデートはお預け。

だけど……息抜きは大事だし。休み時間に交流を図ってみようかな。

そう考えながら先生と別れて家の中に入った。
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