【短編】メルティングギフト
ペティジェラシー
「久代くーん!」



雨雲が広がる空の下、校舎裏で待っていると那須先輩がやってきた。



「おはようっ!」

「おはようございます。走ってきたんですか?」

「うんっ。寒い中待たせたら悪いと思って……」



肩を上下させて呼吸を整えている。


この息切れようと前髪の湿り具合……相当自転車かっ飛ばしてきたな。

日は出てないけど、早朝じゃないから気にしなくていいのに。



「今日も着込んでるから平気ですよ。セーターも着てるし。先輩こそ、また汗だくになってますけど……」

「大丈夫! ちゃんとタオル持ってきたから! あ、カーディガン返すね!」



昨日貸したカーディガンを受け取った。



「本当にありがとう。今回も急にごめんね。久代くんも寒かったはずなのに」

「いえ。先輩が風邪引かなくて良かったです。今度からは痩せ我慢しなくていいですからね」



そう言って微笑むと、先輩の顔がカーッと赤くなった。

ふはっ、やっぱり図星だったんだ。
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