愛しい師よ、あなただけは私がこの手で殺めなければー大賢者と女剣士の果しあいー
にじにじと、目をそらさず前のめりに構えながら、たがいに飛びかかる機を見合う。
ついに仕掛けたシャンガをひらりと横に避け、掬い取るようにしたゼウラは、シャンガを背に担いでぐるぐる回る。
目を回らせた後放り出して、その隙に剣を取りに行く気だろう。
好きにさせるか! と身を丸め、シャンガはゼウラの背からバネのように跳ね飛んで着地する。
運がいい。降りた先、手を伸ばせば届くところに愛剣があった。
「うるぅぅああああああああああああ!!」
ゼウラに対して剣を、彼の腹向け直角に構えて突き通す!
腕に、肉を貫く感触がある。
しかしまだ浅い。シャンガは柄に手を当て今一度、剣を押しこむ。
「ぐはっ」っと、ゼウラの口から苦痛が息となって漏れ、シャンガの耳に届く。
「ゼウラ師匠……、師匠……っ」
瞬間、翡翠の瞳と視線が交わる。
「それでいいのだ」とよく知る叡智と慈愛のある眼差しが、シャンガを褒めた気がした。
幼い頃から、できることが一つ増えるたび喜び見つめてくれた、数々の思い出の中と同じに。