不器用な神野くんの一途な溺愛
「あまりに熱が高いからね、ご家族に迎えに来てもらうように電話してたのよ」

「来んの? 親」


すると先生は、困ったように頬に手を当てた。


「ご両親の携帯に電話したんだけど繋がらなくて。

幸い、家に電話すると繋がったんだけど、おばあちゃんのみご在宅らしいの。でも、足が悪くておばあちゃん一人ではどうにも出来ないらしいのよ」


へぇ、ばーちゃんいんのか小野宮。

ってか会社は? 会社に直接電話すりゃ繋がるだろ?――そう聞くと「ダメ」だったらしい。


「どちらも会社を出られて仕事をされているらしくて、会社用の携帯も持ってないらしいのよ。

今頃、ご両親の携帯に会社からも電話が入ってると思うんだけど、気づいてくれないかしら.......おばあちゃんも心配されてたわ」


先生も小野宮が心配なのか、氷枕を用意したり体温計を持って小野宮に近づいた。

そして何の断りもなく、服を脱がし始めた。
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