不器用な神野くんの一途な溺愛


一昨日、昼休みに小野宮がいる教室をのぞいてみた。ドアの近くにちょうど中島がいたから声をかけた。



『小野宮いる?』



「キャー王子よ!」「神野くーん!」という女子の声をハエみたく思うのか、中島が顔の前で手を払いながら答える。



『神野、随分な公開告白だったらしいじゃねーか。羨ましいな、ちくしょー』

『いいから。早く小野宮』



すると中島は「はいはい、いますよ~」と指をさした。そこは小野宮の席、だが……



『おい、もぬけの殻だぞ』

『え!?おっかしーなぁ……確かにさっきまでいたんだけどな』

『……もういい、行くわ』



去ったふりをして、教室の中から見えない廊下に立っていた。

すると――
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