不器用な神野くんの一途な溺愛〈修正版〉
神野くんの気持ち





それは涙した委員会から、数日経った日のこと。


「とりあけず笑え。ニコ!だ」

「に……に、こ……っ」

「ちげーよ。もっと可愛く笑えてただろ。なんだよ、その土偶みたいなツラ」

「 (ど、土偶っ……!) 」


前から苦手で、話をしないよう避け、バッタリ会わないように逃げ、極力接触がないようにと用心していた神野くん。

そんな彼と今、放課後の資料室で「秘密の特訓」をしています……!


机を合わせてお互い座る中、私は神野くんの顔をジッと見る。

「ニコッと笑え」と言った神野くんのその顔こそが、子供が見たら震え上がるほどの迫力……。


もちろん私も、震え上がるその一人……。


目を合わせられるだけ進歩しているものの、神野くんの眼力を前には、イスごと一歩引いちゃうよ……っ!
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