虹へ向かって飛ぼう
*悪を成敗するのは、いけないことですか?
『部活に来い』なんて言ってさ、私の居場所なんてないじゃん。
朝早く来た講堂脇の花壇には、相変わらずの女子生徒の数。ううん、以前よりも多くなったような気もする。永山先生の噂は大きくなる一方だった。あることないこと噂が広まることってあっという間で、先生の本当の正体を知っている私がヒヤヒヤしてしまうくらいだった。
園芸部なんて言って部活動らしいことなんてしてなかったんだし、別に私が居なくてもいいんだろうけどさ。
「……はぁ」
こんなんじゃ先生に近づくことも出来やしない。
私は少し遠くから見ていた花壇を通り過ぎ、教室へ向かおうと振り返った。