馨子ーkaorukoー
「今日こそ負けませんっ!」
「ははっ。お前は本当に『これ』が好きだな」
おじ様が引き出しからトランプを出してきた。
「ポーカーでいざ、勝負です!!」
「くうぅ〜っ!!ありえませんわっ。どうしてフルハウスで負けるんです!?」
「まだまだよの、馨子や」
「もうひと勝負しましょう!」
「こらこら。何時だと思っている?あまり老人に無茶をさせんでくれ」
「え?っやだ、もうこんな時間!?ごめんなさいおじ様っ。帰国なされたばかりでお疲れなのに…」
「いいんだよ。馨子とこうして過ごすことが何よりの癒しなのだから」
「おじ様…」
「…それよりもな、お前に大切な話があるのだよ」
急に真剣な表情になったおじ様。嫌な予感がする。
「…嫌です。聞きたくない。きっと、良くない話なのでしょう?」
今にも泣き出しそうな馨子の頭を撫でながら、
「お前は本当に、」
その言葉の先を口にする代わりに苦笑をもらした。
「馨子。私は、もうそんなに長くはない」