ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
 肩の力を抜いた話をして社長室まで来ると、波多野が真面目な面持ちになって切り出す。

「それはそうと、風柳千笑とのコラボはうまくいきますかね」

 今しがたの会議で出た問題をぶり返す彼を、デスクチェアに座って見上げる。

「お前も心配してるのか」
「日本酒を作ることに異論はないんですけど、彼女自身の性格がどうも……。奔放でわがままだし、協調性なさそうじゃないですか。彼女の意見を尊重するとはいえ、あまり勝手な言動をされすぎても困るなと」

 デスクに置いてあった、風柳千笑の記事が取り上げられた雑誌を見下ろして眉をひそめてやや毒づく彼だが、そう心配するのも無理はない。

 風柳さんは、俺と同い年の三十一歳。彼女の絵の才能だけでなく、整った容姿に海外セレブのようなファッションも話題になっていて、自分をしっかり持った女性として世間からの評判は上々だ。

 しかし実際に会ってみると、それは彼女のほんの一面でしかないと気づいた。自分の要望を押し通す我の強さや、うちの社員を下に見ているような態度は俺も一喝してやりたくなった。

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