ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
 苦手な日本酒のコラボに協力する気になったのは、『一周回って飽きなそうだから』らしい。舐めてかかっていそうな彼女をもハマらせる商品を作りたいと、逆にやる気が漲って今に至る。

「そういう人間を唸らせるのも、やりがいがあるだろう。もしも自分が女王様だと思っているなら、彼女の今後のためにもその鼻をへし折ってやる」

 一度雑誌を手に取り、自信に満ちた笑顔をこちらに向ける風柳さんを一瞥して、バサッと再びデスクに放った。

 波多野は目を丸くした後、ふっと口角を上げる。

「さすが鬼蔵元。ビジネスパートナーにも容赦ないですね」
「当たり前だ、立場は対等なんだから。あと、その呼び方やめろ」

 俺の最後のひと言は聞こえていないかのごとく、彼は感動した様子で腕を組み、「やっぱ社長はカッコいいな」などと呟いていた。

 有言実行するべく、準備を進めていかなければ。試作品が出来上がったら依都にも試飲してもらいたい。

 ……そうだ、俺たちのもとでなら彼女の能力をもっと活かせるんじゃないか? 会社にとっても必ずプラスになる。

 ふとひとつの考えが浮かび、近いうちに交渉してみようと心に決めた。


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