ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
 驚きながらも、さっそくいただいたいちごを洗って皆に配る。

 子どもたちはすごく喜んでいて、風柳さんとも「ちえみちゃん、ちえみちゃん」と親しげに話していた。その様子を見て、また少し羨んでしまう自分が情けない。

 いちごを出し終わった後、少し時間があったので千笑さんに誘われて、食堂を出たところにある二階へ続く階段の辺りに移動した。ふたりになるのは気まずいけれど、やっぱり断れない。

 窓の外は午後五時だがすでに暗くなっていて寒そうだ。風柳さんは気だるげに階段に腰かけ、私を見上げる。

「まさかこんなところであなたに会うなんてね。ボランティア始めたの?」
「今日はたまたま、凛くんに付き添ってきた感じです。あ、従兄なんです、彼」

 もう知っているかもしれないけど、と思いながら言うと、彼女はなにかに気づいたような様子で「なるほどね、あなたが……」と呟いた。なにが〝なるほど〟なんだろうか。

「意外だわ。依都さんって、子ども好きそうじゃなかったから」

 風柳さんの口から放たれた言葉に、私はぎくりとした。そんなにあからさまだっただろうか。

 弱みは見せたくないと思っていたのに動揺してしまう。

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