ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
「やっぱり全然違うわよ、自分の子は。どこにこんな母性があったの?ってくらい、いくらでも愛情をかけられるの。こうやって、他人の子にまで優しくしたいと思うようにもなったし」

 そう話す風柳さんはとても穏やかに微笑んでいて、れっきとした〝お母さん〟の顔だった。もしかしたら私も自分の子ができたら変わるのかもしれないと、かすかな希望が湧いてくる。

 ところが、彼女の微笑みがどこか影のあるものに変化していく。

「昔の私と同じような思いは絶対にさせない。あの子が望むものはすべて与えてあげたいの。大人になって自分自身にそうしてきたようにね」

 挑戦的な瞳がこちらに向けられ、ぞくりとする。

「父親についても同じ。息子が、史悠にパパになってほしいと言うなら、私はまだ諦めない」

 まさかの宣戦布告に唖然とした。彼女の瞳から本気さが伝わってきて、不快さと怒りが交ざったものが急激に込み上げる。

 本気で私から彼を奪おうというの? そんなの認められるわけがないし、譲る気も一切ない。思わず声を荒らげそうになる。

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