ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
「なにを言ってるんですか……! 彼は私の夫なんですよ!?」
「御鏡酒造に打ち合わせをしに行ったら、女性陣が噂してたわよ。あまり仲がよくないみたいじゃない、あなたたち。だったら私が、って名乗り出たくなるのは仕方ないでしょう」
「仕方なくないですよ! というか、噂は噂でしかありません。私たちはなにも問題なく──」
「本当に? 史悠の家では跡取りだって望まれているだろうに、子どもが苦手なあなたがうまくやっていけるの?」
自分でも悩んでいることを指摘され、ぐっと言葉が喉に詰まってしまった。
動揺する私に冷静な目を向ける風柳さんは、「問題も隠し事も、まったくなにもない夫婦なんていないわよね」と呟いた。まるで離婚経験のある自分にも向けているかのように。
彼女はおもむろに腰を上げ、他人事のように言う。
「依都さんには他にもいるじゃない。大切にしてくれそうな人が」
「はい?」
「ねえ、凛太朗くん」
私の後方に向けられた風柳さんの視線を追って振り向くと、帽子を取った凛くんが食堂のほうからこちらを見ていた。食品庫代わりの一室に食材を置きに行こうとしていたのか、手には段ボールを抱えている。
「御鏡酒造に打ち合わせをしに行ったら、女性陣が噂してたわよ。あまり仲がよくないみたいじゃない、あなたたち。だったら私が、って名乗り出たくなるのは仕方ないでしょう」
「仕方なくないですよ! というか、噂は噂でしかありません。私たちはなにも問題なく──」
「本当に? 史悠の家では跡取りだって望まれているだろうに、子どもが苦手なあなたがうまくやっていけるの?」
自分でも悩んでいることを指摘され、ぐっと言葉が喉に詰まってしまった。
動揺する私に冷静な目を向ける風柳さんは、「問題も隠し事も、まったくなにもない夫婦なんていないわよね」と呟いた。まるで離婚経験のある自分にも向けているかのように。
彼女はおもむろに腰を上げ、他人事のように言う。
「依都さんには他にもいるじゃない。大切にしてくれそうな人が」
「はい?」
「ねえ、凛太朗くん」
私の後方に向けられた風柳さんの視線を追って振り向くと、帽子を取った凛くんが食堂のほうからこちらを見ていた。食品庫代わりの一室に食材を置きに行こうとしていたのか、手には段ボールを抱えている。