アンハッピー・ウエディング〜後編〜
雛堂が最高にムカつくことを言ったもんだから、余計に不安が募る。
どうしよう?マジで、寿々花さんが変な男に絡まれてたら。
一秒だって目を離せないよ。
俺達は文化祭パンフレットを見ながら、メイドカフェがあるという新校舎の中に入った。
「うわー。相変わらず何度入っても綺麗な校舎だよなぁ。冷暖房完備だし。ったく、その金があったら旧校舎のエアコンくらい直してくれれば良いのに。なぁ悠理兄さん」
「…」
雛堂が何やら話しかけてきたが、残念ながら今の俺の耳には届かない。
知らねーよ。今はエアコンのことなんてどうでも良い。
「やっべ。悠理兄さんが般若の顔してら…」
「…」
「こりゃ一刻も早く、メイドカフェに直行すべきだな…。えぇっと…二年生の教室は二階だから…階段上がろうぜ」
雛堂と共に、三段飛ばしで階段を駆け上がり。
小走りで廊下を駆け抜ける途中に、メイドカフェの看板を見つけた。
あったぞ。ここだな?
早速入ろう…と、したのだが。
「済みません、生憎ただいま満席でして…。席が空くまで、表でもう少し待ってもらえますか?」
入り口にいたメイド服姿の女子生徒(恐らく寿々花さんのクラスメイト)が、申し訳無さそうに頭を下げた。
何だと。満席?
そんなに繁盛してるのか。
確かによく見ると、メイドカフェの前の廊下にはずらりと列が出来ていた。
これ、全員メイドカフェの席待ちかよ。
「すげーな。まだ昼時には早いのに、もう満席…。この客半分くらい、うちの『HoShi壱番屋』に連れて行きたいぜ。なぁ、悠理兄さん」
「…」
「…兄さん、頼むから般若の顔やめてくれないか。な?通りすがりの人が皆怯えてるから。頼むよ」
あぁ、そうだな。
俺もそうしたいところなんだが。
今こうしている間にも、この教室の中で寿々花さんが、メイド服姿でうろうろしてんのかと思うと。
…順番待ちなんて知ったことじゃない。今すぐ教室の中に飛び込んでやろうかという気になる。
さすがにそこまでは我慢していたのは、まだ理性が働いているからだ。
しかし。
丁度そこに、会計を終えて、メイドカフェから大学生風の男性二人組が出てきた。
そいつらの会話が、俺達の耳に入ってきた。
「いやー、眼福、眼福…。最高だったなー」
「あの清楚っぽいウェーブ髪の子、可愛かったなぁ。お前は誰推しだった?」
「俺はあの、ちょっとドジっ子っぽいメイドさんが可愛かったかなー」
そのドジっ子っぽいメイドさんっていうのは、まさかうちの寿々花さんのことじゃないだろうな。
ほら言わんこっちゃない。やっぱり男共に目をつけられてる。
「落ち着け、悠理兄さん。無言で殴りに行こうとするな。客だぞ」
「殴ろうなんて思ってねぇよ…。ちょっと話を聞くだけだ」
「カツアゲかよ。良いから、大丈夫だから落ち着けって。今ここで騒ぎを起こしたら、出禁になってメイドカフェに入れんぞ」
という雛堂の言葉で、俺はかろうじて理性を保った。
そうだ。ここで門前払いされたら、メイドカフェに入れなくなってしまう。
それは困る。
ぐぬぬ…。見逃すしかないと言うのか。あの不埒な輩共を…。
今回は見逃してやるけど、今度会ったら覚えておけよ。
どうしよう?マジで、寿々花さんが変な男に絡まれてたら。
一秒だって目を離せないよ。
俺達は文化祭パンフレットを見ながら、メイドカフェがあるという新校舎の中に入った。
「うわー。相変わらず何度入っても綺麗な校舎だよなぁ。冷暖房完備だし。ったく、その金があったら旧校舎のエアコンくらい直してくれれば良いのに。なぁ悠理兄さん」
「…」
雛堂が何やら話しかけてきたが、残念ながら今の俺の耳には届かない。
知らねーよ。今はエアコンのことなんてどうでも良い。
「やっべ。悠理兄さんが般若の顔してら…」
「…」
「こりゃ一刻も早く、メイドカフェに直行すべきだな…。えぇっと…二年生の教室は二階だから…階段上がろうぜ」
雛堂と共に、三段飛ばしで階段を駆け上がり。
小走りで廊下を駆け抜ける途中に、メイドカフェの看板を見つけた。
あったぞ。ここだな?
早速入ろう…と、したのだが。
「済みません、生憎ただいま満席でして…。席が空くまで、表でもう少し待ってもらえますか?」
入り口にいたメイド服姿の女子生徒(恐らく寿々花さんのクラスメイト)が、申し訳無さそうに頭を下げた。
何だと。満席?
そんなに繁盛してるのか。
確かによく見ると、メイドカフェの前の廊下にはずらりと列が出来ていた。
これ、全員メイドカフェの席待ちかよ。
「すげーな。まだ昼時には早いのに、もう満席…。この客半分くらい、うちの『HoShi壱番屋』に連れて行きたいぜ。なぁ、悠理兄さん」
「…」
「…兄さん、頼むから般若の顔やめてくれないか。な?通りすがりの人が皆怯えてるから。頼むよ」
あぁ、そうだな。
俺もそうしたいところなんだが。
今こうしている間にも、この教室の中で寿々花さんが、メイド服姿でうろうろしてんのかと思うと。
…順番待ちなんて知ったことじゃない。今すぐ教室の中に飛び込んでやろうかという気になる。
さすがにそこまでは我慢していたのは、まだ理性が働いているからだ。
しかし。
丁度そこに、会計を終えて、メイドカフェから大学生風の男性二人組が出てきた。
そいつらの会話が、俺達の耳に入ってきた。
「いやー、眼福、眼福…。最高だったなー」
「あの清楚っぽいウェーブ髪の子、可愛かったなぁ。お前は誰推しだった?」
「俺はあの、ちょっとドジっ子っぽいメイドさんが可愛かったかなー」
そのドジっ子っぽいメイドさんっていうのは、まさかうちの寿々花さんのことじゃないだろうな。
ほら言わんこっちゃない。やっぱり男共に目をつけられてる。
「落ち着け、悠理兄さん。無言で殴りに行こうとするな。客だぞ」
「殴ろうなんて思ってねぇよ…。ちょっと話を聞くだけだ」
「カツアゲかよ。良いから、大丈夫だから落ち着けって。今ここで騒ぎを起こしたら、出禁になってメイドカフェに入れんぞ」
という雛堂の言葉で、俺はかろうじて理性を保った。
そうだ。ここで門前払いされたら、メイドカフェに入れなくなってしまう。
それは困る。
ぐぬぬ…。見逃すしかないと言うのか。あの不埒な輩共を…。
今回は見逃してやるけど、今度会ったら覚えておけよ。