アンハッピー・ウエディング〜後編〜
…翌日。

ここ一週間ほどは、毎日うんざりした気分で目覚めたものだが。

不思議と今日は、すっきりと目が覚めた。

やっぱり「いつも通りの日常」って大切なんだなぁって。

朝食を用意して、寿々花さんが起きてくるのを待っていたのだが。

ここで問題が発生。

…何時になっても、寿々花さんが起きてこない。

別に日曜日なんだから、早く起きる必要はないけども。

それに、久し振りに自宅に帰ってきたのだから、ゆっくりしたいのも分かるよ。

それにしたって、なっかなか起きてこない。

あれよあれよという間に午前が終わって、午後になっても、まだ起きてこなかった。

元々寝穢い人間ではあったが、ここまで起きてこないと、むしろちょっと心配になる。

実は起きてるけど、降りてこないだけ?だったりして?

と思って、こっそり寿々花さんの寝室を訪ねてみたところ。

「…zzz…」

寿々花さん、爆睡状態。

めっちゃよく寝てんなー…。あまりによく寝てるから、起こすのが可哀想。

よっぽど疲れてたんだな。昨日…。

それとも、これが時差ボケって奴?

まぁ、別に用事がある訳じゃないし。寝たいだけ寝れば良いよ。

今日ハロウィンパーティーにしなくて、本当良かった。

自然に起きるまで放っとこう…と、こっそり寝室を出ていこうとしたら。

寿々花さんが、ころん、と寝返りを打つ音がした。

しまった。起こしたか?

「むにゃむにゃ…」

大丈夫だ。爆睡してる。

しっかし、間抜けな顔して…。無防備にも程がある。

どんな幸せな夢を見ているのか知らないが、口元が緩みまくっている。

「みずぎ…。みずぎ着ないと駄目だよー…」

…寝言言ってるし。

みずぎ…水着…?海水浴の夢でも見てんのか。

「ゆーり君…水着を…」

俺かよ。

あんたの夢の中で、俺は何をやってんの?

「海に入る時は…ゆうり君…。水着…」

「…やっぱり海水浴…?」

「…ティラミスの海…」

「ティラミス…!?」

マジで、今どんな夢見てんの?

あんたの夢の中で、俺は何をしようとしてるんだよ。

今すぐ揺り起こして、夢の内容を聞きたいところだったが。

寿々花さんがあまりにも幸せそうに、夢の中でティラミスの海(?)の海水浴を楽しんでるようだったから。

…やっぱり、そのまま放置して、自然に起きるのを待つことにした。

「…ティラミスの海だ〜…」

「はいはい…」

どうやらまだ、イタリア気分が抜けてないようだな。
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