アンハッピー・ウエディング〜後編〜
すったもんだの応酬の後。
俺の、必死の抵抗も虚しく。
「おぉー!さすが悠理兄さん。女装コンテストの準優勝者。貫禄が違うな!」
殴るぞ、雛堂。
俺に顔面をぶっ飛ばされたくなかったら、今すぐその口を閉じることだな。
「大丈夫。よく似合ってますよ、悠理さん」
「うるせぇ、褒めるな」
何も大丈夫じゃねーし、褒められても嬉しくねーし。
「あのね、あのね、悠理君」
「…何だよ」
寿々花さんは、情けない俺の姿を見て溜め息をつく代わりに。
目をキラキラさせて、興奮したように俺を見つめていた。
「すっごく可愛いよ。赤ずきんちゃん」
うん、ありがとうな。
全然嬉しくないから、やっぱり腹いせに雛堂をぶん殴ろうかな。
拝啓、ご先祖様。
女装コンテストの醜態のみならず、またしてもこのような情けない姿を晒してしまったことを、心からお詫びしたく、
「折角だし、記念写真撮ろうぜ。いえーい」
「いえーいじゃねぇよ、馬鹿。写真を撮るな!」
「その写真、私も欲しい。額縁に入れて玄関に飾っ、」
「ふざけんな。絶対駄目だからな!」
「…やれやれ。たかだか仮装くらいで大騒ぎですね」
呆れた、みたいに溜め息ついてんじゃねぇ。乙無。
あんたにとっては「たかだか仮装」かもしれないが、俺にとっては人間としての尊厳が懸かってるんだよ。
大事なことだよ。当たり前だろ。
あぁ、もう泣きたい。
寿々花さんが、俺の赤ずきんのスカートをちょいちょい、と引っ張ってきた。
「ねぇねぇ、悠理君。それよりも」
「それよりって何だよ。今、ズタボロにされた俺の尊厳以上に大切なことがあるのか?」
「ケーキ食べたい。悠理君のハロウィンケーキ」
…成程。そういえば、仮装の騒ぎで忘れるところだった。
それも大切だな。…確かに。
「…分かったよ。今持ってくるから…ちょっと待っててくれ」
「うん。悠理君のハロウィンケーキ〜♪」
…呑気に鼻歌歌いやがった。
あんたが楽しそうで何よりだよ。畜生。
俺の、必死の抵抗も虚しく。
「おぉー!さすが悠理兄さん。女装コンテストの準優勝者。貫禄が違うな!」
殴るぞ、雛堂。
俺に顔面をぶっ飛ばされたくなかったら、今すぐその口を閉じることだな。
「大丈夫。よく似合ってますよ、悠理さん」
「うるせぇ、褒めるな」
何も大丈夫じゃねーし、褒められても嬉しくねーし。
「あのね、あのね、悠理君」
「…何だよ」
寿々花さんは、情けない俺の姿を見て溜め息をつく代わりに。
目をキラキラさせて、興奮したように俺を見つめていた。
「すっごく可愛いよ。赤ずきんちゃん」
うん、ありがとうな。
全然嬉しくないから、やっぱり腹いせに雛堂をぶん殴ろうかな。
拝啓、ご先祖様。
女装コンテストの醜態のみならず、またしてもこのような情けない姿を晒してしまったことを、心からお詫びしたく、
「折角だし、記念写真撮ろうぜ。いえーい」
「いえーいじゃねぇよ、馬鹿。写真を撮るな!」
「その写真、私も欲しい。額縁に入れて玄関に飾っ、」
「ふざけんな。絶対駄目だからな!」
「…やれやれ。たかだか仮装くらいで大騒ぎですね」
呆れた、みたいに溜め息ついてんじゃねぇ。乙無。
あんたにとっては「たかだか仮装」かもしれないが、俺にとっては人間としての尊厳が懸かってるんだよ。
大事なことだよ。当たり前だろ。
あぁ、もう泣きたい。
寿々花さんが、俺の赤ずきんのスカートをちょいちょい、と引っ張ってきた。
「ねぇねぇ、悠理君。それよりも」
「それよりって何だよ。今、ズタボロにされた俺の尊厳以上に大切なことがあるのか?」
「ケーキ食べたい。悠理君のハロウィンケーキ」
…成程。そういえば、仮装の騒ぎで忘れるところだった。
それも大切だな。…確かに。
「…分かったよ。今持ってくるから…ちょっと待っててくれ」
「うん。悠理君のハロウィンケーキ〜♪」
…呑気に鼻歌歌いやがった。
あんたが楽しそうで何よりだよ。畜生。