アンハッピー・ウエディング〜後編〜
結局その日の朝、家を出るまで監視は続いた。

一体何だったのだろう。変な夢でも見たのだろうか。

何も言わずにじーっと見てくるから、逆に不気味だ。

まぁ、アレだ。寿々花さんのやることなすことに、いちいち突っ込んでたら身が持たないから。

多少奇天烈なことをしていても、温かい目で軽く受け流すのが吉。

ということを、俺はこの約一年で学んだ。




…の、だが。

その日、買い物を終えて家に帰った瞬間。

「うわっ!びっ…。びったぁ…」

「…じーっ…」

玄関のドアを開けるなり、クリップボードと鉛筆を持った寿々花さんと鉢合わせ。

エコバッグ落っことすところだったじゃないか。畜生。



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